落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

からすの窓とふくろうの森

2010年04月19日 | book
『1Q84 Book3』 村上春樹著

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こないだから都内の本屋で探しておったのですが。やっぱしどこでも売切れでー。
週末にレディガガを観に(聴きに)横浜アリーナまで行ったので、新横浜駅前の本屋に寄ってみたらありましたん。
あ、レディガガはおもろかったっす。客のコスプレ率が異常に高くてびびる。しかも皆さんめーちゃーめーちゃー気合い入ってます。マジっす。真剣と書いてマジと読む。的な。
しかし前座が長い。そしてこの前座の曲がものすごくどーでもいーカンジなのがキビシイ。みるからに!ゲイゲイしいボーカルのパーソナリティはべつとして(中性的な声音がセクスィー)、音楽性がどーにも今日的でない。20世紀的。それが一曲演奏しおわるごとに「サワゲ!」「shat up!」みたいな煽り方をする。なんじゃらほいである。
しかし他のお客さんたちはみんなして曲にのってあげたり、煽られるままにコールしてあげたり、まったく日本人てば親切よねえ〜。つかこれ同じことを関西でやったら、ステージに座ぶとんとかコーラとかやきそばとか飛んできそーやな。偏見。
本家ガガ姫は若干体調がよろしくなかったらしく、かなりぜえぜえと息をきらしておられました。がむばってスタミナつけてくださいまし。

てなワケでやっと読めた『1Q84 Book3』〜。
おもしろかったですうー。一気読みしちゃいましたですよ。1と2をおさらいしなかったので、こんどまた3冊まとめて読みなおしたいですけど・・・でもおさらいしなくてもおもしろかった。
てゆーかそもそもオチは完全に読めてたよね?2のラストでさ?あれ?なことない?
ぐり的にはこのラストは100%予定調和なんだけど、それでもこのとっちらかった展開をどーやってそこの「お約束」までもってくか?とゆーストーリーテリングには毎度感服いたしますです。
ところどころでビックリするくらい強引なパートもあるし、主人公たち以外の何人かの登場人物にむちゃくちゃデジャヴュを感じたりもしますけど(食べるものとか着るものとかがあまりにそのまま)、まあ全体的にはけっこうバランスもとれてるし、村上春樹とゆー独自のジャンルとゆーか、独自の世界観をますます確立してんなあー、とゆーあたりでもふとほくそ笑んでしまう。

著者自身が予告したのよりは短いけど、村上作品では『ねじまき鳥クロニクル』と同じくらいの長さになったけど。ぐりはこっちの方が好きかな?だってラブロマンスなんだもーん。ヲトメでごめん。
だって究極の愛じゃない?青豆と天吾くん。ぐりもどこかに天吾くんがいないかな。なんてこと思ってしまうわけですよー。アラフォーでもね。
しかしこーゆーことをゆうと、世の男性はみんな怒っちゃいそーですよねー。だって天吾くんは自分ではべつになんにもしないんだもん。見事になんにもしない。ただそこにいるだけ。そこにいて、すべてを受け入れるだけ。命をかけて闘ってるのは青豆とか牛河とか、他の人ばっかりで。
けどさ、現実には「ただそこにいてすべてを受け入れる」ってこともふつうの人にはなかなかできないと思うんだ。少なくとも、天吾くんが青豆を受け入れるみたいな受け入れ方は、それこそ究極の愛としかよべないものであって、誰にでもできることじゃないと思うよ。
そういうところまで自分をもっていく、それだって自分のエゴとの命がけの闘いなんじゃないのかな?

この小説は話法自体は冒険小説風とゆーか、サスペンス風とゆーか、SF風なんだけど、全体のテーマはやっぱし「愛」だよね。
それも、ただ綺麗なだけの愛じゃなくて、どろどろした愛とか、血腥い愛とか、純粋無垢な愛とか、愛のいろんな側面が描かれている。親子の愛もでてくるし、男女の愛もでてくる。女同士の友情の愛もある。
けど、どんな愛でも、究極のところまでいけば全てを超越できるんじゃないか、そんなロマンが表現されてるみたいな気がしました。
ほんとに、そーだといいんですけどね。
ちゅーかこれはこれで終わりだよね?続き・・・あんのかな?ありそーでこわい。