『孔雀』
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=B000QUUFWC&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
期待以上でした。久々に「本格文芸映画」を観た気がする。
舞台は70年代〜80年代、河南省のある街に住む5人の家族の物語。勤勉そのものの両親は知的障害を抱えた長男を憐れむあまり、下の娘と次男には関心を持とうとしない。不幸というほどではないけどとくに仲睦まじくもない、どこにでもいるごく当り前の一家。それぞれに幸せを求めるけれど、向いている方向はいつもバラバラ、けどお互いに愛情はある。そんな家族。
中国映画にしては珍しくセリフが少ないんだけど、それだけに人の表情や情景が非常に能弁。畏れ、憧れ、悔しさ、寂しさ、情けなさ、せつなさ、そんないろんな感情が、無言の静寂の間にぎゅうぎゅうにみっしりと詰まった感じがする。でも不思議なことに重さはない。妙に見やすい。そこがうまい。
かといってただただ淡々としているだけでもない。なんでもない日常に潜む憎悪、暴力が、時折ぴりりと映画をひきしめる。単純に漫然と仲良しこよしごっこをしてるわけじゃない。家族にだっていっしょにいる必然性があるし、互いに打算もある。そういう家族のドライな面、クールな面も容赦なくハッキリと描かれる。
この映画では主演デビューした張静初(チャン・ジンチュー)が注目されたそうだが、ぐりはこの物語では、何がどうあっても常に冷静沈着な母のキャラクターに強く心を打たれた。
とくに印象深いのは練炭をみんなでつくるシーンと、食卓であひるにクスリを飲ませるシーン。無表情だが力強い彼女の態度に、いつどんなときでも「母」であることを決して投げ出さない、すさまじい覚悟を感じた。そして、あえてそこをヘンに強調しない演出にも好感をもった。意外なことだが、この映画では5人の家族全員が主人公なのだ。
136分とやや長めな映画だが、観ていてまったく疲れるということがなかった。細かいところまで神経の行き届いた、実に完成度の高い作品だった。
それよりも、すぐ近くの席の客がずーーーーーーっと喋ってたのには心底参った。そんなに喋りたかったらおうちでTVでも観ててくださいな。大迷惑。ちなみに喋ってた言語は日本語(爆)。途中2度ほど注意したのだが、それでも喋ってた。ビョーキかね?あれ?喋るのやめれません病。たまりません。
この映画、来年劇場公開が決定してるそーです。めでたし。
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期待以上でした。久々に「本格文芸映画」を観た気がする。
舞台は70年代〜80年代、河南省のある街に住む5人の家族の物語。勤勉そのものの両親は知的障害を抱えた長男を憐れむあまり、下の娘と次男には関心を持とうとしない。不幸というほどではないけどとくに仲睦まじくもない、どこにでもいるごく当り前の一家。それぞれに幸せを求めるけれど、向いている方向はいつもバラバラ、けどお互いに愛情はある。そんな家族。
中国映画にしては珍しくセリフが少ないんだけど、それだけに人の表情や情景が非常に能弁。畏れ、憧れ、悔しさ、寂しさ、情けなさ、せつなさ、そんないろんな感情が、無言の静寂の間にぎゅうぎゅうにみっしりと詰まった感じがする。でも不思議なことに重さはない。妙に見やすい。そこがうまい。
かといってただただ淡々としているだけでもない。なんでもない日常に潜む憎悪、暴力が、時折ぴりりと映画をひきしめる。単純に漫然と仲良しこよしごっこをしてるわけじゃない。家族にだっていっしょにいる必然性があるし、互いに打算もある。そういう家族のドライな面、クールな面も容赦なくハッキリと描かれる。
この映画では主演デビューした張静初(チャン・ジンチュー)が注目されたそうだが、ぐりはこの物語では、何がどうあっても常に冷静沈着な母のキャラクターに強く心を打たれた。
とくに印象深いのは練炭をみんなでつくるシーンと、食卓であひるにクスリを飲ませるシーン。無表情だが力強い彼女の態度に、いつどんなときでも「母」であることを決して投げ出さない、すさまじい覚悟を感じた。そして、あえてそこをヘンに強調しない演出にも好感をもった。意外なことだが、この映画では5人の家族全員が主人公なのだ。
136分とやや長めな映画だが、観ていてまったく疲れるということがなかった。細かいところまで神経の行き届いた、実に完成度の高い作品だった。
それよりも、すぐ近くの席の客がずーーーーーーっと喋ってたのには心底参った。そんなに喋りたかったらおうちでTVでも観ててくださいな。大迷惑。ちなみに喋ってた言語は日本語(爆)。途中2度ほど注意したのだが、それでも喋ってた。ビョーキかね?あれ?喋るのやめれません病。たまりません。
この映画、来年劇場公開が決定してるそーです。めでたし。
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