落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

16歳の女神

2008年06月15日 | movie
『JUNO/ジュノ』
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興味本位でバンド仲間のポール(マイケル・セラ)とセックスした16歳のジュノ(エレン・ペイジ)。たった1回の初めての行為で妊娠してしまった彼女は中絶手術を受ける気になれず、親友リア(オリヴィア・サールビー)の協力で子どもの養父母(ジェニファー・ガーナー/ジェイソン・ベイトマン)をみつけ、彼らと両親(J・K・シモンズ/アリソン・ジャネイ)の援助のもと出産準備に入るのだが・・・。

ヒロインの名前“ジュノ”はギリシャ神話でいうヘラのローマ神話での名前。ヘラはゼウスの正妻であり、結婚、母性、貞節を司る神とされる。未成年で出産する主人公の名前として非常に象徴的だ。
ブッシュ政権になってから学校での性教育が大きく後退し、また中絶に対して否定的な社会背景もあり未成年の出産が激増したというアメリカの現実を、ごくコミカルにハートウォーミングに描いた映画としてはなかなか楽しい作品だとは思う。
けど、ぐり的には予想したよりも消化不良というか、けっこう物足りなかった。
テーマがデリケートなせいもあって、全体にかなり踏み込み不足という印象がどうしても否めない。誰にでも見やすいようにストーリーをテンポ良くしたい気持ちはわかるのだが、あまりにも展開がほいほいと調子良過ぎてまったくリアリティが感じられないのだ。

ただ、20代の新人脚本家(というより素人脚本家というべきか)の若い感性に溢れたシナリオは確かに言葉遣いもヴィヴィッドで魅力的だし、出演者たちの演技も観ていてとても楽しいし、つまらない映画では決してない。家族同士、友だち同士の間に流れる繊細な感情表現にはほろりとさせられる部分もある。
それだけに、センシティブな題材にビビって安全な方向に流れよう流れようとしている雰囲気が惜しかった。コメディとしてもこれじゃあまりに甘過ぎませんか。ぐりが厳しすぎるのかしらん。
あと、冒頭のアニメがなんか手抜きな感じだったのにはしらけた。やるならちゃんとやってほしかったです。

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