落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

しらんかった

2006年01月09日 | book
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昨日TV(NHKの大河ドラマ)をつけたまま隣の部屋でぼーっと寝ていたらなんだか聞き覚えのある声が。
画面をみたら、おお。福本清三さん(@『ラスト・サムライ』サイレント・サムライ役)ではありませんかー。思わず正座して観てしまったよ。すぐ死んじゃったけど(爆)。さすが斬られ役。
早速ファンサイトをチェックしたら、その後民放で放送された別の時代劇にも出とられました。こっちでも始まってすぐ死ぬ役やったけど。
しかし普段は台詞のまったくない斬られ役俳優の声がわかるアタシってマニアックやなー。しかもべつに時代劇ファンじゃないし。

それでひさしぶりに福本さんの本が読みたくなって『どこかで誰かが見ていてくれる』を読み返した。
福本さんは東映太秦撮影所で45年間大部屋俳優を勤め上げた人だ。入社したころは日本映画の黄金時代、時代劇がムチャクチャ大人気だった。いっぱい仕事はあったけど、お給料はとにかく安かった。最初は日雇いだから何の補償もない。当時は技斗(殺陣)師だっていなかったから、仕事は常に危険と隣りあわせ。スタントの技術だって確立されてなかった。
それでも福本さんは自分の選んだ仕事を心から愛した。映画少年だった訳ではない。映画が好きなんではなくて、映画という仕事が好きなのだ。
ただ好きで、ひたすらマジメに謙虚にコツコツやりつづけて、定年まぎわに『ラスト・サムライ』のオファーが来た。台詞もない斬られ役のファンだった方が関係者に強く推薦してくれた結果だった。まさに「どこかで誰かが見ていてくれた」のだ。

読んでいると、仕事って本来理想としてはこういうものなんじゃないかなあという気がしてくる。理想だけどね。
自分でやってることにプライドをもつ。仕事に対しては常に正直に向きあう。ズルしちゃいけません。群れない。驕らない。威張らない。つつましくても豊かな人生。決して派手じゃないけど、しっかりと男らしい生き方。
けど福本さんが半世紀近くも大部屋やってこれたのは、ご家族の理解と協力もあったからだよね。それはとてもうらやましいと思う。すてきなことだ。
定年後も東映で働いている福本さん。俳優ならみんな出たがるハリウッド映画にも大河ドラマにも出た(一話だけだけど)。60過ぎてバリバリ現役。スゴイねえ。
本人は「芝居なんかできない」とかいってるけど、ぐりは福本さんの朴訥とした、飄々としたお芝居好きですよ。またそのうちメインキャストで映画出てください。

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