落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

バスはゆく

2007年09月01日 | movie
『ショートバス』
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「ショートバス」とはニューヨークのセクシュアル・マイノリティたちが集うナイトクラブの名前。
セックスについての物語なので全編セックスシーンまみれボカシまみれなんだけど(てゆーかホントにいたしてます、彼ら)、ぜんぜんエロティックじゃなかったです。
セックスはひとりではできないけど、基本的には孤独なもの。映画やらTVやらコミックやらゲームやら、フィクションの世界には誰もが目一杯ノレて夢みたいに気持ち良くて必ずイケるセックスしか描かれないけど、現実はそう甘くはない。どんなに深く愛しあっていてもセックスの相性がイマイチなカップルなんかいくらでもいるし、射精した後は虚しくて悲しくなる男や、イケないことで相手に不満をもつどころか罪悪感を感じる女なんかめちゃめちゃ当り前にいっぱいいる。
それなのに、みんなセックスが上手くいかないことや楽しくないことで人間として価値がないみたいにひとりで思いこんで決めつけて、勝手に自分を追いつめてばかりいる。
「ショートバス」はそんな心を解放するための特別な場所。現実にはないかもしれないけど、あるといいね?と誰もが願うような、すべての人のための居場所だ。

タイトルはクラブの名前だけど、舞台がクラブというわけではない。
基本はジェイムズ(ポール・ドーソン)とジェイミー(PJ・デボーイ←この人見覚えあるな?と思ってたらドラマ『QaF』に1話だけ出演してました)というゲイカップルの物語と、恋愛カウンセラーのソフィア(?Xックイン・リー)との、それぞれの“自分探し”がテーマになっている。
登場人物はそれぞれみんな、セックスが思うようにいかないことがさも人生の一大事のように深刻に悩みまくるんだけど、結論からいえば、ぶっちゃけそんなの大したことじゃない。人を愛することができて、愛してくれる人がいるだけでもじゅうぶんに幸せじゃないか。そんなふうに言葉にしてしまったら手垢のついた古くさい一般論みたいだけど、一般論にだってそれなりのスジはある。

てゆーかね、そんなのセックスだけに限らないよ。こうじゃなくちゃいけない!自分は不完全だ!負けたくない!なんて思いこみは結局自分を縛るだけでなんのプラスにもならない。
ひとりぼっちなのはあなたひとりじゃない。人間みんなひとりぼっちだ。So what ?生きてるでしょ!みたいな感じ。
作中にときどきでてくるニューヨークの模型がいい味出してましたです。

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