落穂日記

映画や本などの感想を主に書いてます。人権問題、ボランティア活動などについてもたまに。

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2006年03月20日 | movie
『同級生』
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誰だこんな恥ずかしい邦題つけるやつはー。陳腐にもほどがある。もホント勘弁してくださいよ・・・つっても原題も『GET REAL(現実をみよ)』だからどっこいかもしれませんけども。
スティーブン(ベン・シルヴァーストン)は16歳。11歳のときから自分がゲイだということを知っている。もちろん両親には打ち明けられないし、学校の友だちにも内緒だ。とはいえ、ときどき公園でナンパした男とゆきずりのセックスを楽しむことはできるし、隣家に住むリンダ(シャーロット・ブリテン)というよき理解者もいる。気になるのは同じ学校のジョン(ブラッド・ゴートン)。ハンサムでスポーツマンでみんなの人気者、そのうえモデルのガールフレンドもいる彼のことは完全に片思いだと思っていたスティーブンだったが・・・とゆー、なんちゅうかめちゃめちゃベタな青春映画ですー。
イギリス映画だし主人公はゲイだし高校生だし、確か日本公開時もお耽美な美少年映画みたいな扱いになってましたが、さっぱりそんなことありません。もっと全然お気楽な、今どきのティーンエイジャーらしいライトでユーモラスな学園ドラマ。下品なところがまったくなくて、かといってヘンに気取ってもいない、笑いの絶妙な匙加減はさすがイギリス映画というべきか(てゆーほどイギリス映画ぜんぜんみてないけど)。
主人公スティーブンは自分のセクシュアリティをちゃんと受け入れてるし、そのことを怖れてもいない。彼が苦悩するのは、もっぱら両親に嘘をついてたり、友だちにありのままの自分をさらけだせないから。でも彼には彼なりの覚悟はあって、自立したゲイとして社会に一歩を踏み出すきっかけを模索してもいる。しかし愛しの君・ジョンはそうはいかない。彼は自分がゲイであるという事実をなかなか認められないし、そんな自分に向きあうことにすら怯えている。物語は主にこのふたりの対比によって進行する。
つまり、人間誰でも成長の過程で「自分が何者であるか」「いかに生きるべきか」という命題に出くわす訳で、この映画はその分岐点をスティーブンとジョンというふたりのゲイの少年の姿を通して描いている。
こんな風に簡単にまとめてしまうとそれだけのように聞こえるけど、ちょっと深刻そうなストーリーを、修羅場をスッキリ排除したうえで聞かせるところはきちっと聞かせて、笑えるところはにやっと笑えて、ほろっとさせるところはうまくほろっとさせる、という具合に全体にテンポよくバランスよくまとめていて、結構ちゃんと楽しめる映画になってました。実はすごく大事な話なんだけど、あえて重大ぶらないで、サラッとした語り口で表現してる。人によっては軽過ぎる!と思う人もいるかもしれないけど、こういうノリってオトナっぽくっていいと思います。ぐりは。
とくに主人公のキャラがいいです。真面目すぎて軽いイジメみたいのには遭ってたりするけど、文章を書くという特技はちゃんとあるし、家族仲は良いし、友だちもいるし、女の子受けも悪くない。要するにごくフツウのまともな男の子。映画に出てくるゲイといえば即不幸!とか暗い!とか、あるいはオカマっぽいとか、そーゆー型にハマったタイプではまったくない。なので非常に共感しやすかったです。

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