8月26日(金)~9月4日(日)震災ボランティアレポートIndex
GWに石巻に行った時も同じテーマでレポートしましたが。
あれから4ヶ月、震災から今日でちょうど半年。ニーズも変わって来ている。
今回は被災地の人たちといろんなお話ができて、震災直後の避難生活で喜ばれたモノについても意外な話を聞くことができた。
気仙沼市沿岸部のある地域では、津波が来る前に、船を持っている人はみな船を沖に逃がしにいった。その後、火災を起こして漂流していたタンカーが入江に入って来て湾内が大火災になり、沖へ逃げた船が戻って来れなくなってしまった。その間3日。
陸にいた家族は、せっかく逃がした船よりも乗員のことが心配で、自衛隊に救助を求めた。救助できなければ食べ物や水を届けてほしいと頼んだ。
あの日、気仙沼市周辺では雪が降っていた。飲まず食わずで船の上で3日間。
陸との音信も途絶えた、3日間。
沿岸部の地域に最初に救助に入ったのはアメリカ軍だった。
ヘリコプターでやってきて、怪我人はいないかと聞かれた。幸いにも怪我人も病人もいなかったので、食べ物が欲しいとお願いした。すると入れ替わりに自衛隊が物資を持ってやって来た。
何度も何度も自衛隊のヘリが発着した避難所の中学校は未だに土ぼこりまみれで、校舎はどこもかしこも異常にほこりっぽい。雨が降ってもなにやら煙い。ここで毎日勉強している子どもたちの健康への影響が気になった。
それでも今回、当時の話を聞いた人たちはみな、自衛隊に深く感謝していた。自衛隊が来た時、ほんとに助かったと思った。かっこよかったよ、と目を輝かせて話す人たちがたくさんいた。
食べ物の次に欲しかったのが、新聞や雑誌。
停電でテレビが見られず、携帯も通じないので情報がまったくはいってこない。絵とか字とか、目で見れる情報が切実に欲しかったという。震災の被害を知りたいとかそういう現実的な「情報」だけではなく、心が、目の前にある世界以外の視覚情報に飢えていたという。料理本や旅行雑誌がとくに人気だったそうだ。
被災地では津波や地震の被害をそれほど受けなかった地域でも停電した。数日の間、何の情報もないまま過ごして、電気が通ってやっとあの惨状を初めて知ったという人もかなり多い。そのことでショックを受けた人もいたという。
ちなみに被災地で最初に通じた携帯はドコモ。ソフトバンクはいちばん最後だった。ボランティアに無料で携帯を配布したソフトバンクだが、被災地の人にいわせれば「点数稼ぎ」にしか見えないなどという話も聞いた。
あれから半年。
避難所が閉鎖され仮設住宅ができて、被災地での生活も変化している。
それと同時に、義援金や寄付金、支援物資もだんだん少なくなって来ている。何かしたいけど、何をどこに送ればいいのかわからない人もいるかもしれない。
ぐりが見聞きした限りでは、相変わらず人手が一番足りない。ボランティアの数は減る一方で、長期的にサポートを続けて来たボランティアスタッフにも被災地を離れる人が増えている。
今後は週末や連休を利用して来る短期ボランティアや、ボランティアツアーで被災地を訪問する人たちの力が重要になってくる。
瓦礫撤去などの屋外作業だけでなく、避難所以外の仮設住宅や自宅避難民への物資の配布や訪問活動にも、これまで以上に人手が必要とされている。
次に必要なのが着るもの・防寒具。
被災した方々の多くが家財すべてを失っているので、これから着る冬物がいま足りない。冬用寝具も同様である。
ただでさえ寒い北国、寒くなるのも早いので、既に各団体では今すでに冬用の支援物資の収集・整理・配布の準備に追われている。
被災地では商店街やショッピングモールも被災し、営業再開のめどもまったくたたない地域が多いため、お金があってもなくてもこれらの物資を自力で手に入れることが難しくなっている。津波でクルマを失い、公共交通機関も被災しているため、どこかへ買いに出かけることすらままならないからである。
なので支援団体は必要なものを集めて、各戸へ直接届ける支援のためのフローを模索している。
それからやっぱりお金も足りない。
義援金が被災者自身の手になかなか届かないというのはさんざっぱら報道されているが、現地で支援活動をしているボランティア団体の資金力にも限界が来ている。
参加者全員が手弁当のボランティアとはいえ、運営そのものにはやはり経費がかかる。拠点の光熱費(家賃・通信費は免除されているケースが多い)、ボランティアを作業現場に運ぶ燃料費などはどれだけ削ってもゼロにはできない。
震災直後には集まっていた寄付金も、月日を経るに従って減っていく。いつまで支援できるかどうかの瀬戸際にたたされながらの活動は、支援する側にとってもされる側にとっても精神衛生上決していいものではない。
自分では現地に行けないという人には、やはり募金での支援をお願いしたい。
はまなすの実。
8月26日(金)~9月4日(日)震災ボランティアレポートIndex
8月11日(木)~15日(月)震災ボランティアレポートIndex
4月29日(金)~5月7日(土)震災ボランティアレポートIndex
Googleマップ 震災ボランティアレポートマップ(ver.3.0)
GWに石巻に行った時も同じテーマでレポートしましたが。
あれから4ヶ月、震災から今日でちょうど半年。ニーズも変わって来ている。
今回は被災地の人たちといろんなお話ができて、震災直後の避難生活で喜ばれたモノについても意外な話を聞くことができた。
気仙沼市沿岸部のある地域では、津波が来る前に、船を持っている人はみな船を沖に逃がしにいった。その後、火災を起こして漂流していたタンカーが入江に入って来て湾内が大火災になり、沖へ逃げた船が戻って来れなくなってしまった。その間3日。
陸にいた家族は、せっかく逃がした船よりも乗員のことが心配で、自衛隊に救助を求めた。救助できなければ食べ物や水を届けてほしいと頼んだ。
あの日、気仙沼市周辺では雪が降っていた。飲まず食わずで船の上で3日間。
陸との音信も途絶えた、3日間。
沿岸部の地域に最初に救助に入ったのはアメリカ軍だった。
ヘリコプターでやってきて、怪我人はいないかと聞かれた。幸いにも怪我人も病人もいなかったので、食べ物が欲しいとお願いした。すると入れ替わりに自衛隊が物資を持ってやって来た。
何度も何度も自衛隊のヘリが発着した避難所の中学校は未だに土ぼこりまみれで、校舎はどこもかしこも異常にほこりっぽい。雨が降ってもなにやら煙い。ここで毎日勉強している子どもたちの健康への影響が気になった。
それでも今回、当時の話を聞いた人たちはみな、自衛隊に深く感謝していた。自衛隊が来た時、ほんとに助かったと思った。かっこよかったよ、と目を輝かせて話す人たちがたくさんいた。
食べ物の次に欲しかったのが、新聞や雑誌。
停電でテレビが見られず、携帯も通じないので情報がまったくはいってこない。絵とか字とか、目で見れる情報が切実に欲しかったという。震災の被害を知りたいとかそういう現実的な「情報」だけではなく、心が、目の前にある世界以外の視覚情報に飢えていたという。料理本や旅行雑誌がとくに人気だったそうだ。
被災地では津波や地震の被害をそれほど受けなかった地域でも停電した。数日の間、何の情報もないまま過ごして、電気が通ってやっとあの惨状を初めて知ったという人もかなり多い。そのことでショックを受けた人もいたという。
ちなみに被災地で最初に通じた携帯はドコモ。ソフトバンクはいちばん最後だった。ボランティアに無料で携帯を配布したソフトバンクだが、被災地の人にいわせれば「点数稼ぎ」にしか見えないなどという話も聞いた。
あれから半年。
避難所が閉鎖され仮設住宅ができて、被災地での生活も変化している。
それと同時に、義援金や寄付金、支援物資もだんだん少なくなって来ている。何かしたいけど、何をどこに送ればいいのかわからない人もいるかもしれない。
ぐりが見聞きした限りでは、相変わらず人手が一番足りない。ボランティアの数は減る一方で、長期的にサポートを続けて来たボランティアスタッフにも被災地を離れる人が増えている。
今後は週末や連休を利用して来る短期ボランティアや、ボランティアツアーで被災地を訪問する人たちの力が重要になってくる。
瓦礫撤去などの屋外作業だけでなく、避難所以外の仮設住宅や自宅避難民への物資の配布や訪問活動にも、これまで以上に人手が必要とされている。
次に必要なのが着るもの・防寒具。
被災した方々の多くが家財すべてを失っているので、これから着る冬物がいま足りない。冬用寝具も同様である。
ただでさえ寒い北国、寒くなるのも早いので、既に各団体では今すでに冬用の支援物資の収集・整理・配布の準備に追われている。
被災地では商店街やショッピングモールも被災し、営業再開のめどもまったくたたない地域が多いため、お金があってもなくてもこれらの物資を自力で手に入れることが難しくなっている。津波でクルマを失い、公共交通機関も被災しているため、どこかへ買いに出かけることすらままならないからである。
なので支援団体は必要なものを集めて、各戸へ直接届ける支援のためのフローを模索している。
それからやっぱりお金も足りない。
義援金が被災者自身の手になかなか届かないというのはさんざっぱら報道されているが、現地で支援活動をしているボランティア団体の資金力にも限界が来ている。
参加者全員が手弁当のボランティアとはいえ、運営そのものにはやはり経費がかかる。拠点の光熱費(家賃・通信費は免除されているケースが多い)、ボランティアを作業現場に運ぶ燃料費などはどれだけ削ってもゼロにはできない。
震災直後には集まっていた寄付金も、月日を経るに従って減っていく。いつまで支援できるかどうかの瀬戸際にたたされながらの活動は、支援する側にとってもされる側にとっても精神衛生上決していいものではない。
自分では現地に行けないという人には、やはり募金での支援をお願いしたい。
はまなすの実。
8月26日(金)~9月4日(日)震災ボランティアレポートIndex
8月11日(木)~15日(月)震災ボランティアレポートIndex
4月29日(金)~5月7日(土)震災ボランティアレポートIndex
Googleマップ 震災ボランティアレポートマップ(ver.3.0)
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