『薪の結婚』 ジョナサン・キャロル著 市田泉訳
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4488547125&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
恋愛中の人間は誰もが妄想家だ。
大好きな人、愛する人と、こんなことがしてみたい、あんなことがしてみたい、こんな話もしたい、あんなこともしてあげたい、それこそ傍にいないときはいつでも、相手と自分との未来を思い描いて夢心地にひたるのが、恋愛のいちばん幸せな部分なんじゃないかと思う。
逆にいえば、人には妄想する力があるからこそ、恋愛というものができるのかもしれない。相手と自分を重ねあわせてその将来を妄想することが楽しめなかったら、恋に堕ちるなどという愚行はなかなかできない。
恋をしなくても人を愛することはできるだろう。でも、妄想なくして恋はないと思う。
恋と愛は違うものだからねー。
『薪の結婚』は最初から半分くらいはごくごくよく描けた、リアルにロマンチックな恋愛小説である。
ミランダは30代の稀覯本ディーラー。高校時代は学校中の憧れのまとだった同級生のジェームズと交際したが、卒業後の進路で離ればなれになり、それっきりになってしまった。同窓会でジェームズのその後を耳にして、自分がもう若くないこと、恋の儚さを実感した矢先に、別のパーティーで魅力的な既婚男性ヒューと出会う。知的でユーモアがあって遊び慣れたヒューに抗いがたく惹かれていくミランダ。ふたりが抜き差しならない関係に陥るのに時間はかからなかった。
ところがこのあたりから話は怪しくなってくる。この邦訳版は創元推理文庫から出ている。つまり、この小説はジャンルとしてはラブロマンスではなくミステリーなのだ。
というわけで、前半の甘々な空気がだんだんきなくさいニオイに変わってくる。有り体にいうとオカルトチックになってくるんである。
ぐりはべつにオカルトとかミステリーが好きなわけではないので、読んでる途中は「??なんじゃこりゃ??」と思っていたのだが、読み終わるとなんだかにんまりしてしまった。あんまり詳しくいうとネタバレになってしまうので避けますが。
こーいっちゃなんだけど、小説にでてくるほど甘くロマンチックな恋なんて、現実にはそうはないのだ。現実よりも妄想の方がずっと甘くてロマンチックなわけで、そういってしまえば、この小説の題材がものすごくリアリスティックに感じられてくる。
おもしろいよね。なるほどーって感じです。
この作家の本は初めて読みましたが、また他のも読んでみよっかな?
<iframe src="http://rcm-jp.amazon.co.jp/e/cm?t=htsmknm-22&o=9&p=8&l=as1&asins=4488547125&fc1=000000&IS2=1<1=_blank&m=amazon&lc1=0000FF&bc1=000000&bg1=FFFFFF&f=ifr" style="width:120px;height:240px;" scrolling="no" marginwidth="0" marginheight="0" frameborder="0"></iframe>
恋愛中の人間は誰もが妄想家だ。
大好きな人、愛する人と、こんなことがしてみたい、あんなことがしてみたい、こんな話もしたい、あんなこともしてあげたい、それこそ傍にいないときはいつでも、相手と自分との未来を思い描いて夢心地にひたるのが、恋愛のいちばん幸せな部分なんじゃないかと思う。
逆にいえば、人には妄想する力があるからこそ、恋愛というものができるのかもしれない。相手と自分を重ねあわせてその将来を妄想することが楽しめなかったら、恋に堕ちるなどという愚行はなかなかできない。
恋をしなくても人を愛することはできるだろう。でも、妄想なくして恋はないと思う。
恋と愛は違うものだからねー。
『薪の結婚』は最初から半分くらいはごくごくよく描けた、リアルにロマンチックな恋愛小説である。
ミランダは30代の稀覯本ディーラー。高校時代は学校中の憧れのまとだった同級生のジェームズと交際したが、卒業後の進路で離ればなれになり、それっきりになってしまった。同窓会でジェームズのその後を耳にして、自分がもう若くないこと、恋の儚さを実感した矢先に、別のパーティーで魅力的な既婚男性ヒューと出会う。知的でユーモアがあって遊び慣れたヒューに抗いがたく惹かれていくミランダ。ふたりが抜き差しならない関係に陥るのに時間はかからなかった。
ところがこのあたりから話は怪しくなってくる。この邦訳版は創元推理文庫から出ている。つまり、この小説はジャンルとしてはラブロマンスではなくミステリーなのだ。
というわけで、前半の甘々な空気がだんだんきなくさいニオイに変わってくる。有り体にいうとオカルトチックになってくるんである。
ぐりはべつにオカルトとかミステリーが好きなわけではないので、読んでる途中は「??なんじゃこりゃ??」と思っていたのだが、読み終わるとなんだかにんまりしてしまった。あんまり詳しくいうとネタバレになってしまうので避けますが。
こーいっちゃなんだけど、小説にでてくるほど甘くロマンチックな恋なんて、現実にはそうはないのだ。現実よりも妄想の方がずっと甘くてロマンチックなわけで、そういってしまえば、この小説の題材がものすごくリアリスティックに感じられてくる。
おもしろいよね。なるほどーって感じです。
この作家の本は初めて読みましたが、また他のも読んでみよっかな?