ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

父の誕生日

2008年01月10日 | 千伝。
今日は、父の84回目の誕生日。
大正13年生まれのねずみ年。
今年は、七巡りの年男である。
・・何とか誕生日を迎える事ができた。

ありがたいことです。

4年前に、あと1年の余命だと言われた。
あっちこっちの病院を回って入院退院の繰り返し・・。
だんだん、だんだんと、父の体力が弱ってゆく。
それでも、何とか生き延びてきた。

父とまともな会話ができなくなってから1年以上経つ。
去年の9月頃から容態が悪化・・危篤状態が続く。
12月には、もう駄目だと思ったことが二度・・。
クリスマスの夜に、孫である息子の手を握り、「ありがとう」という振り絞った父の声が最後になった。

どうか新年を越させて欲しいと祈り、新年には、どうか誕生日を迎えさせて欲しいと祈った。

今、モノを言わぬ父は自宅に戻り、母が介護している。

父は、元気なうちに、すでに自分の戒名を寺の住職に決めてもらい、葬式は自宅で執り行うようにと頼んである。
さらに、二年前には、自分史を書き上げている。
12歳の時、中国大陸に渡り、すぐに上海で働きはじめている。
戦争をはさんで、自分は、運の強い男だと謙虚に語っている。
逆に、生き延びたという負い目かもしれないが、自分の死という準備段階を覚悟のうえで決めていたのであろう。

今日、往診にきてくださった医師が今週末がヤマ場だと、母に伝えたという。

もう何度も聞かされる危篤状態・・心の準備は出来ているが、もう二度と会えないと思うと・・何だか重たい気分になる。

それでも、父の意識は、息子達に何かを伝えたいのだろうか・・。

今日は誕生日・・オメデトウ。