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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

ギリシャ神の遺産

2011年10月20日 | 千伝。
ギリシャ神話を読めば、人間人生のすべてが書かれている・・と謂われているが、まさしくである。

最近では、北京オリンピックと世界陸上大会まえに、ギリシャの陸上代表が、福井で二度合宿しており、親近感もある。

ギリシャの財政悪化によって、欧州統一通貨であるユーロの信頼も揺れている。

今回の暴動・・貧乏神(債務・借金)にとりつかれた様相なギリシャである。

ギリシャには、二度訪問したことがある。

ギリシャの首都アテネで、公務員のストライキに遭遇して、一週間ほど足止めを喰らって面喰った経験がある。

街は、ごみの山・・でも個人経営のレストランや観光地はオープンしていた。

その一週間を利用して隣国のトルコまで足を伸ばした。

アテネとイスタンブールの旧市街地そのものが、歴史博物館のようなものである。

文明の接近、文明の衝突、文明の和合・・。

文明というものは、平和ではなく戦争が起源になるということを認識させられる。

「我々は、もっと貧乏な国なのに、なぜ、怠け者のギリシャを助けなければならない」と叫んでいるEC加盟国スロバキア国民の声。

英国のように、いまだに自国通貨ポンドを頑なに使う国あれば、ギリシャは、2000年に自国通貨ドラクマからユーロ通貨を採用した。

ただ、自国通貨であれば切り下げも出来ようが、ヨーロッパが、ひとつになるには、まだまだ前途多難のようである。

ユーロ通貨のヨーロッパ経済圏は、寄り合い自動車のような各駅停車の鈍行のようなものであるが、きちんと巧く運行できれば、世界経済の進行役になるはずである。

つまりは、EU(欧州連合)が一つの国家になれば、人口約1000万人程度の国家であるギリシャ債務問題は、内政問題として収束に向かうと考える。

ギリシャの神々は、日本の神様、仏様とは大違い。

天地を創造した神でもなく、人間以上に、人間的である。

意地悪で嫉妬深く、兄弟姉妹親子で結婚をして子供をつくったり、人間との間にも子供がいる。

怒り・・争い・・とても品行方正とはいえないギリシャの神々である。

それでも、数千年の時を超えて、壮大な物語としてギリシャ神話は、地球に生まれてきた人間の心に永遠に受け継がれている。

パンドラの箱を開けて、この世のありとあらゆる悪と災禍が、人間世界にばら撒かれた。

そのパンドラの箱に、最後にひとつ残ったものが、「希望」という明日、今日なのである。