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100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

マンボウ先生

2011年10月27日 | 千伝。
今日から(10月27日から11月9日)、読書週間。

そう、独書習慣にしたいものである。

大学の図書館に、はじめて入った時に、何かの力で引っ張られるように、偶然手にしたのが「夜と霧」(ヴィクトール・E・フランクル著)という一冊。

ペラペラとめくりながら、突っ立ったまま、時間を忘れて読み耽っていた・・。

ホロコーストという戦慄するような記録・・。

でも・・明らかにナチスドイツによるユダヤ人大虐殺の記録なのであるが、ユダヤという人種、民族名は出てこない。

収容者と被収容者という「人間」を描いているのである。

精神科医であり、作家のマンボウ先生である北杜夫さんが亡くなられた。

小生は、北先生の小説よりも、「マンボウシリーズ」のユーモア溢れるエッセイの方が好きである。

自ら「躁鬱病」であることを告白したマンボウ先生。

出世作「どくとるマンボウ航海記」を読んだのは、横浜から北海道へ向かう父の乗る貨物船に乗船した高校3年生の夏休みだった。

躁な気分でもいいではないか。

鬱な気分でもいいではないか。

多感な思春期に、心のどこかで救われたような文庫本だった。

北杜夫先生のご冥福を祈ります。合掌。