「ラバウルに居たんですか?」
「うん」
「じゃ、ココボもご存じですか?」
「うん・・よう知ってはるな」
「じゃ、高砂丸もご存じですか?」
「ああ、真っ白な病院船で、それは、きれいな船だった・・。今でも思い出すよ」
「父は、若い頃に、ココボに居て、高砂丸に手旗信号を送ったのを自慢にしていました」
「それは、それは、美しい船だった」
父よりも、少し年配の方で、戦時中に南方を転戦していたという福井のSさんが、亡くなられた。
南方で、父と同じ時代の残像を共有していたと思うと、妙な懐かしさが込み上げて、父を重ねていた。
時は、流れてゆくのみ。
合掌
「うん」
「じゃ、ココボもご存じですか?」
「うん・・よう知ってはるな」
「じゃ、高砂丸もご存じですか?」
「ああ、真っ白な病院船で、それは、きれいな船だった・・。今でも思い出すよ」
「父は、若い頃に、ココボに居て、高砂丸に手旗信号を送ったのを自慢にしていました」
「それは、それは、美しい船だった」
父よりも、少し年配の方で、戦時中に南方を転戦していたという福井のSさんが、亡くなられた。
南方で、父と同じ時代の残像を共有していたと思うと、妙な懐かしさが込み上げて、父を重ねていた。
時は、流れてゆくのみ。
合掌