ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

高砂丸

2012年05月18日 | 千伝。
「ラバウルに居たんですか?」

「うん」

「じゃ、ココボもご存じですか?」

「うん・・よう知ってはるな」

「じゃ、高砂丸もご存じですか?」

「ああ、真っ白な病院船で、それは、きれいな船だった・・。今でも思い出すよ」

「父は、若い頃に、ココボに居て、高砂丸に手旗信号を送ったのを自慢にしていました」

「それは、それは、美しい船だった」

父よりも、少し年配の方で、戦時中に南方を転戦していたという福井のSさんが、亡くなられた。

南方で、父と同じ時代の残像を共有していたと思うと、妙な懐かしさが込み上げて、父を重ねていた。

時は、流れてゆくのみ。

合掌