ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

紙の神さま。

2017年06月12日 | 百伝。
「紙の神さま」からお話を伺っていると、英字新聞「ジャパンタイムズ」の全株式を、News2u(東京)に売却するとのニュースリリースあり。

百島の対岸にある常石グループとジャパンタイムズが仲間になるという出来事です。

今日は、かつての越の国(越前・越中・越後)の都とも言われる味真野、花筐のある越前市今立町まで参りました。

この界隈は、1500年ほどの昔々、男大迹皇子(おほとのみこ、後の継体天皇となる=現皇室の祖と言われる)が暮らした地でもあり、今に伝わる越前和紙の里でもあり、日本で唯一無二の「紙祖神」を祀っている岡太(おかもと)神社、大瀧神社があります。



1500年昔ということは、平安時代以前の歴史を有した地域なのです。

この界隈へは、ほとんど信号もない農道やら県道、町道を走りながら、ミニバイクで行くのが楽しいです。





その岡太神社へ行く前に・・近くにある「不老神社」へ。





健康を願い・・不老(おいず)という呼び水と拍手。

さて、岡太神社、大瀧神社へ。





境内に入ると、太鼓の音が響いていました。

大瀧神社と岡太神社の関連性の詳しい説明は、省きます。

大瀧神社の御神体は、権現山。

岡太神社の祭神は、紙始祖とする川上御前・・日本全国の紙業界の守護神でもあります。

境内は、とても不思議な空気が漂っています。







神仏道場という堂があり、木造十一面観音坐像も鎮座しています。





かつては、大瀧神社が、大瀧寺だったのでしょう。

僧侶が神職をも司っていたのかもしれません。

それから、「葵の紋」と「桐の紋」を見ることも出来ます。





・・さて。

かつて、NHK「世界の名建築100選」に、伊勢神宮、東大寺、金閣寺とともに選出されたという大瀧神社・岡太神社の拝殿・本殿。







実の所、紙の神さま「川上御前」は、この道の先、約30分ほど歩いて権現山頂上近くにある奥之院本殿に祀られているのです。





この先は、草ぼうぼうの獣道のような悪路で、この時季は、野生の猿やらイノシシやら、熊も現れるかも?・・と。

登山靴に登山準備をきっちりとしたうえで、気をつけた方がよいとアドバイスされました。

・・和紙の里通りに戻ると、観光客もいなくて、寂しい場所でした。



1200年の歴史を有する京都よりも古く、1500年の歴史を有する福井の歴史的文化遺産・・惜しいです。

合併して越前市(武生と今立)となる以前の今立町時代の方が、活気があったような気もします。

お隣りの金沢の賑わいは、たかが江戸時代からの加賀百万石文化の賜物なのでしょうが、地域経営投資が見事です。

経営が投資ばかりとなっては、本末転倒となりますが・・。

例えば・・奥の院へ続く道が、何故整理されず、獣道のようなまま放置されているのか?



・・街中の広場にある誰もいないステージ。

何故、神社境内ではなく、この場所で、太鼓を叩かないのか?

紙の神さまの御伝です。

「細々と長々と。人手不足? 紙漉きの流儀がある。嬉々として生きよ!」

紙風船に乗って・・備の国、常石や百島のことも思い浮かびました。