ふくい、Tokyo、ヒロシマ、百島物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

弥生三猿

2019年03月11日 | 空木宝剣

忘却の 虫に喰われし お雛様

「川の流れは見えても、時の流れは見えない」というが、平成から31年。

神戸から25年。

東日本大震災から8年。

空に浮かぶ、太陽や月や星々が、静かに時を刻んでいる。

「今」の連続である地上は、さながら地獄絵図に近いが、永遠であるご浄土は、「今」のない、遠くて静かなる宇宙に存在すると、人は、考えて来たのかも知れない。

アップルをかじり、エデンの園から追放された、アダムとイブ。

その子孫は、今や75億。

単細胞が分裂して60兆にもなるように。

はやぶさが竜宮をめざして着陸に成功したように。

一本の蜘蛛の糸を、人々が群がって争うように。

人類は、無駄な動きで、時間を浪費する限り、日光東照宮の、見ざる聞かざる言わざるの三猿よりも、ご浄土は、遠く宇宙の果てまで、去るのかも知れない。