百島百話 メルヘンと禅 百会倶楽部 百々物語

100% pure モノクロの故郷に、百彩の花が咲いて、朝に夕に、日に月に、涼やかな雨風が吹いて、彩り豊かな光景が甦る。

ノルマとノロマ。

2019年08月01日 | 空木宝剣

行水の 盥の中に 昭和かな

団塊が青春の昭和50年頃、某資産家の弁によると、「国は、戦争で負けたから、持っていた国債は、全てパーに。

だが、郵便局は、通帳と印鑑を持っていけば、出してくれたので、私は、国よりも郵便局を信用している」との事だった。

その郵政の信用も、この度のかんぽ生命の遵則違反の営業で大きく傾いた。

営業にはノルマはつきものだが、ノルマのせいだろうか?

日本の経済は、護送船団方式で、高度成長期を成した。

民営化による、同業他社との競争。その競争によるノルマ。

かつて、国鉄の民営化による、私鉄との競争。

その競争によって、時間割りのノルマが、信楽鉄道や尼崎列車事故で、多くの犠牲者を出してしまった。

郵政の民営化。

年賀状の過剰ノルマの記憶もまだ新しい。

真っ当な生業は、社会の役に立つ為に存在する。

その為には、役に立ち、喜んでもらえる商品を開発し、販売する。

ところが、ノルマ(数字)に支配された組織では、保険や証券すら、顧客から数字を手繰る為の金融商品にしかない。

「医は仁術」の病院でさえも、昨今、ノルマを問われたり、無報酬医師の存在が、問題になったりする。

愚直なまでも信用を一番にする模範を、巨大組織が失うようでは、わが日本の将来、その幸福度は危うい。