OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

春ボサpart-3

2007-02-28 17:00:00 | Weblog

雪国なのに大した雪も降らずに冬も終り、明日から3月♪

こういう時期に私はボサノバを聴いてしまう、天邪鬼なんです。

そういえば「雪」なんてボサノバ歌謡曲を、吉田拓郎が歌っていましたですね。

ということで、本日は――

Samba Blim / Tamba 4 (CTI)

先日の「」に続き、これもアメリカ制作によるポビュラーボサノバの傑作です。

タンバ4というバンドは、本場ブラジルから来た正統派ジャズも余裕でこなせる実力派ですが、ここではCTIというレーベルカラーに従って、多重録音にストリングスの共演という作り物! しかし、これが素晴らしいです♪

録音は1968年8月、メンバーはルイス・エサ(p,key,arr)、ドリオ(b,g,per)、オアーナ(ds,per)、ベベート(fl,per,b,vo) に加えて、一流セッションミュージシャンのストリングスがついています。そして演目は以下のとおり――

A-1 Samba Blim (1968年8月8日)
A-2 Watch What Happens (1968年8月13日)
A-3 Weekend (1968年8月13日)
A-4 Palladium (1968年8月13日)
A-5 Quietly (1968年8月13日)
A-6 Know It All / 消えた噂 (1968年8月8日)
B-1 Reza (1968年8月8日)
B-2 Tristeza de Nos Dois / ふたりの悲しみ (1968年8月13日)
B-3 San Salvador (1968年8月7日)
B-4 Slick (1968年8月7日)
B-5 Baiano (1968年8月13日)
B-6 Pregao (1968年8月7日)

――ですが、だいたいどれも、胸キュンメロディにシャープなボサのリズム♪ そしてボサロックもあれば、ジャズ色が強い演奏までも入っています。

まず、ミッシェル・ルグラン作曲の有名な「Watch What Happens」が正統派ラウンジミュージックの極みつき♪ ルイス・エサのストリングアレンジも爽やかですし、ベベートのフルートにはシンプルな良さがあって、いつまでも聴いていたい仕上がりです。控えめなボサノバのリズムが、これまた素敵、素敵♪

強靭なリズムギターとフルートの鬩ぎ合いに、お洒落なコーラスが入る「Weekend」では、正統派ジャズピアノの真髄に迫るルイス・エサが流石!

「Reza」は必ずや聞いたことのある名曲・名演だと思います。

またジャズ色が濃い「ふたりの悲しみ」や「San Salvador」「Slick」ではベベートのフルートが冴え、リズム隊も新主流派の雰囲気を滲ませたりして、硬派な一面を聞かせてくれます。

さらに同時代の日活や東宝アクション映画のサントラのような「Palladium」「Quietly」も、夜のドライブでは成りきりモードに突入してしまいます。

もちろんタイトル曲「Samba Blim」は楽しくてジャジーな名演ですが、こういうボーカル入りの演奏は、ソフトロックと紙一重な楽しみがありますねぇ~♪ 「Baiano」なんか、実に良い雰囲気ですよ♪

そして「消えた噂」と「Pregao」は、それぞれがアナログ盤の片面を締め括る意味合いがある曲で、悲しい別れは全ての始まりのような余韻が最高です。

ということで、これはアナログ盤時代から聴きまくった1枚です。数年前にはCDも入手して、車や仕事場の常備品になっていますが、またまた秀逸なジャケットは、このレーベル御用達のピート・ターナー撮影による風景写真♪

全部シビレて、ゴキゲンなアルバムなのでした。

ちなみに昭和50年代までは、ホテルのラウンジとかナイトクラブに、このタンバ4をお手本にしたハコバンが多数出ていましたですね。それが今では絶滅の危機みたいなのが、ちょっと悲しいところです。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする