■アリバイ / Thin Lizzy (Vertigo / 日本フォノグラム)
ハードロック!!
と言っても、それは一概にガンガンイケイケの音楽じゃ~なくて、そうした中にも所謂「泣き」とか「哀愁」のある歌や演奏が好まれるのは、何も我国だけではありません。
むしろ民族性なんてものを大儀名分に用いながら、なんとなく歌謡ロックみたいな味わいが滲んだハードロックがウケていた証明のようなバンドが、シン・リジイ!
――と書けば、皆様からのお叱りは相当の覚悟であります。
しかし、例えば本日ご紹介のシングル曲「アリバイ / Waiting For An Alibi」のコンパクトに纏まった構成とメロディラインのキモは、明らかに歌謡ロックと一脈通じていると思うのは、独りサイケおやじだけでしょうか。
そこには皆様もご存じのとおり、シン・リジイのルーツである「アイルランド出身」という、独得の哀愁表現が既定の遣り口である以上、ファンやリスナーは素直に共感を覚えても責められるものではありません。
さらにシン・リジイが人気を集める決定的な要因が、時に強引とも思えるツインリードのレスポールサウンドによるギターの饗宴!
ちなみにシン・リジイの中心人物はフィル・リノット(vo,b) であり、その常に弾むベースプレイと表情豊かなボーカル、さらには胡散臭いルックスが相まっての個性がある以上、ツインリードのギターばかりがシン・リジイの魅力ではありませんが、しかし全盛期だった1970年代後半では、それ無くして何がシン・リジイかっ!?!
そういう事だったんですねぇ~~♪
さて、そこでこの「アリバイ / Waiting For An Alibi」は、1979年に発売された人気アルバム「ブラック・ローズ」からのカットながら、それを超越してシン・リジイの個性を広く認識させたヒット曲でした。
で、書き遅れましたが、シン・リジイは前述のフィル・リノットによって1969年頃に結成されて以来、お決まりのメンバーチェンジは相次ぎましたが、ここではゲイリー・ムーア(g)、スコット・ゴーハム(g)、ブライアン・ダウニー(ds) の顔ぶれが揃った、これぞっ! キャッチーなハードロックのお手本が楽しめますよ。
そして既に述べたとおり、栄光のツインリードの一翼を担うが永遠の人気ギタリストたるゲイリー・ムーアとあっては、実力派のスコット・ゴーハムの意地も炸裂する、これが火傷しそうに熱い仕上がりはお約束というわけです。
あぁ~~、それにしても「レスポールのロックな音」って、全くサイケおやじの感性にダイレクトに響いてきます。
しかも現在、煮詰まった仕事の真っ最中とあっては、周囲に迷惑にならぬよう、休息時間にヘッドホーンで孤独に熱く(?)なるのが精一杯ではあっても、確実にストレスは減少のベクトルを示すのですから、間違いはないんでしょうねぇ~♪
ということで、どうかに今夜中には終了のメドも見えてきた作業に安堵も隠せないサイケおやじは、帰宅したら絶対にレスポールをギンギンに鳴らしそうな誘惑に捕らえられています。
さあ、もうちょっと頑張る!