■シャボンの匂いの女の子 / フォーリーブス (CBSソニー)
GSブーム真っ只中の昭和42(1967)年にデビューしたフォーリーブスの最大の特質はスマートなイメージ、言い換えれば泥臭さが極めて希薄でしたから、前述のGSとは似て非なる洋楽志向を表現出来た事かと思います。
そこで昭和44(1969)年夏に発売された本日掲載のシングル盤A面曲「シャボンの匂いの女の子」が、当時流行していたハリウッドポップス系ソフトロックの楽しみを完全に歌謡曲へと変換した傑作になったのも、フォーリーブスならではの魅力でしょう。
なにしろ明るいビート感やブラスを用いたアレンジは言わずもがな、メロディ展開そのものが、モロにグラス・ルーツやフィフス・ディメンションあたりを想起させられる企図に満ちていますし、レコーディングやサウンド作りのミックスについても、それに近い味わいがあるんですねぇ~♪
これをサイケおやじはリアルタイムで聴いた瞬間、絶対に米国産ヒットポップスのカパーバージョンだと思ったほどでしたが、実は一応、フォーリーブスのオリジナルらしく、しかし作曲はミルト・ロジャースという、どうやらビリー・ボーン・オーケストラの座付きアレンジャーだったそうですよ。
そして日本語の歌詞は少女向け雑誌の「週刊セブンティーン」で募集され、遠藤千恵子の作詞にプロの片桐和子が補作していますから、今となっては懐かしい「シャボン」という言葉にも違和感がありません。
というよりも、むしろ当時でさえ、幾分アナクロな言葉の響きが、逆にフォーリープスの現代的な感性を引き立てていた感もありましたですねぇ~♪
ただし、全体の仕上がりが、やはり昭和歌謡曲としてはカッコ良過ぎたのでしょうか、ファンの間では人気が高くとも、広く大きなヒットに届きませんでした。
しかし、それがまた初期フォーリーブスだけが持っていた、不良性の無いハッピーアイドルとしての存在感を際立たせていたのも、また確かだったんじゃ~ないでしょうか。
ということで、今では洋楽ソフトロックのマニアにも大ウケしているに違いないのが、この「シャボンの匂いの女の子」かと思います。
実際、これが日本のボーカルグループによって制作されたのは、ちょっとした奇蹟と思うばかり♪♪~♪
春だからこそ、ますます楽しい名曲名唱をお楽しみ下さいませ。