■まえぶれ / 小野ひずる (MGM)
本日から新年度、拙ブログも春らしい1枚を出してみました。
ご存じ、と書けば些か思い込みも強くなりますが、とにかく昭和48(1973)年から翌年にかけて放送された「仮面ライダーV3(毎日放送 / NET)」のヒロイン・珠純子として人気を集めた小野ひずるが、それに出演する直前に出したとされる歌手デビューシングルであります。
で、何故の思い込みかと言えば、これはリアルタイムで同番組に夢中になっていた皆様には説明不要かと思いますが、劇中で主人公の風見志郎=宮内洋が結果的に仮面ライダーV3に改造されて蘇生するきっかけが、怪人に襲われている彼女を助けたことに起因するのですから、以降のドラマの展開には、ヒーローとヒロインの淡い恋物語がお約束でした。
なにしろ主人公の家族までもが、極言すれば、彼女の所為で犠牲にされているのですからねぇ……。
そして自責の念で仮面ライダーと共に闘うヒロインとなった彼女が風見志郎=宮内洋に恋心を抱くのも無理からん話とはいえ、V3の正体が愛する男という疑念も描かれていたのは流石の王道であり、仮面のヒーローがヒロインに冷たく接するところも含めて、小野ひずるも所謂「特撮ヒロイン」の要件を満たしていたわけです。
さて、そこで気になるレコードの中身は、当然ながらアイドル歌謡の、これまた王道路線♪♪~♪
特に作詞:有馬三恵子&作曲:鈴木邦彦、そして編曲:馬飼野康二の手によるA面「まえぶれ」が、何よりもアグレッシヴなエレキベースも印象的なサウンド作りとメリハリの効いたメロディラインの良作でありながら、それを歌う彼女の節回しの素っ気無さが、逆説的にたまらないんですよっ!
また、ジャケ写に登場している彼女からもご推察のとおり、デコピン好きのファンも多いとか!?
ということで、小野ひずるはそれほど長く芸能界では活動しませんでしたが、その中で「仮面ライダーV3」の珠純子を演じたことは、決して忘れられるものではないでしょう。
しかし、人気とは反比例というか、おそらくレコードは、これっきりみたいなのは残念……。
現在のところ、復刻状況も厳しいようですが、「仮面ライダー」シリーズは今日でも継続されているのですから、関連作品としての再評価を強く望んでいます。
最後になりましたが、サイケおやじの「仮面ライダー」シリーズに対する立場と態度は、バイクアクションムービーとしての偏愛に他なりません。
そのあたりの存念も、追々に書いていきたいと思います。