■春がいっぱい / The Shadows (Columbia / 東芝)
サイケおやじが憧れ、幾ら練習しても決して出来ないのがイギリスのインストバンドでは一番有名なシャドウに在籍のハンク・マーヴィンが十八番のスタイルです。
それはビブラートとエコーが特徴的な澄み切ったギターサウンドであり、神業とも思えるピッキングの魔法は、シャドウズを決して忘れられないグループする源でしょう。
中でも本日掲載のシングル盤A面曲「春がいっぱい / Spring Is Nearly Here」は、その優しい曲メロを存分に活かした、まさに夢見心地の名演として、世界中のリスナーを魅了し、夥しいギタリストがコピーしまくってはトーシロとプロの境界線が明瞭化されてしまう至高の名品♪♪~♪
その思いっきり伸びのあるエレキのリードギターを初めて聴いた昭和42(1967)年のサイケおやじは、てっきりハワイアン等々に用いられているスチールギターかと思い込んでいたほどです。
しかし実際のハンク・マーヴィンのプレイはトレモロアーム付きのフェンダーストラトキャスターであり、アンプはヴォックスだったと言われていますが、エコーマシンについては勉強不足で知る由もありません。
ただし洋楽雑誌に掲載のライブにおける写真を見ると、ステージではバーンズを使っているみたいなので、前述の使用楽器云々については、ここまでとさせていただきます。
ちなみにシャドウズの最初の出発点はクリフ・リチャードのバックバンドの仕事であり、ハンク・マーヴィンと相方のギタリストであるブルース・ウェルチは常にバンドを牽引する中心人物でした。
というか、シャドウズ本隊は公式レコーディグ開始当初から顔ぶれが数次変化していたのですが、このコンビが存続しているかぎり、インストでも歌物でも、シャドウズの「らしさ」はそれほど変わらないと思います。
実際、ブルース・ウェルチが、例えばこの「春がいっぱい / Spring Is Nearly Here」を含めた多くの素敵な曲を書き、ハンク・マーヴィンがそれを柔らかな歌心で表現する時、この名人ギタリストコンビの存在こそが、シャドウズの魅力と感じ入るわけです。
ちなみに「春がいっぱい / Spring Is Nearly Here」の初出は1962年、多分シャドウズ名義としては2作目のLPに収録されたトラックのひとつだったんですが、それがど~して5年後の日本で流行ったのか、サイケおやじには今も謎のひとつになっています。
またレコーディングメンバーについても不明なところがあり、前述のハンク・マーヴィンとブルース・ウェルチの他に同曲の共作者(?)でもあるブライアン・ベネットがドラムスを担当しているであろう事は推察可能なんですが、するとベースはジェット・ハリスかブライアン・ロッキングか? これまた明確な答えを知り得ません。
しかし、それはあんまり関係無いと言えば問題なんでしょうが、とにかくハンク・マーヴィンとブルース・ウェルチが織りなすギターのコラボレーションが泣けてくるストリングスの響きと融合し、ジンワリと聞かせてくれる甘美な世界があれば完全にOKなんですねぇ~、それだけで♪♪~♪
さて、実は今年のサイケおやじが目論んでいる宴会芸にエレキギターを用いた所謂「歌の無い歌謡曲」を想定しているのですが、それは通常、歌ってしまうカラオケにボーカルではなく、自らが弾くギターを合わせよう!
という試みなんですよ、恥ずかしながら!?
そこで久々に様々なエレキインスト盤を出しているうちに、本日の1枚には惚れ直しという次第です。
ということで、シャドウズについては今回、簡単に述べさせていただきましたが、もちろんこんな事て済ませられるようなグループではありませんので、何れはきっちりと思うところを書いてみようと思います。
また独善で試みる「歌の無い歌謡曲」の結果につきましても、後々ご報告させていただきますね。
ど~なりますやら。