OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

あんぜんBANDの日々は終わらない

2015-01-15 15:17:21 | 日本のロック

■終わりなき日々 c/w 新宿警察のテーマ / あんぜんBAND (Bourbon)

あんぜんBANDも日本のロックを語るには決して無視出来ない存在でありながら、今日までの話題性の低さはサイケおやじにとって、かなりの疑問です。

もちろん大衆的なシングルヒットは放っていませんが、昭和40年代中頃、つまり我が国では既にGSブームが峠を越え、ニッポンのロックが迷走&低迷に入っていた1970年代前半においては数少ない本格的なロックバンドでありました。

それは当時、はっぴいえんど、四人囃子、ブルース・クリエイション、村八分、頭脳警察、そしてフラワー・トラベリン・バンド等々との共演イベントでも、確固たる存在感を示していた現実をサイケおやじが忘れていない事のみならず、局地的かもしれませんが、既にメジャーな活動をやっていたモップスやフォーク期のRCサクセションあたりよりも、ウケは良かったという印象です。

メンバーは相沢民男(vo,g)、長沢博行(vo,b)、そして伊藤純一郎(vo,ds) というトリオが基本の編成ながら、ライブの現場ではギターやキーボードのサポートメンバーも随時加わって、ハードロックからファンキー&歌謡ロック、さらにはプログレやフュージョンっぽい演奏までも披露していた幅広い音楽性は、それゆえに売れなかったという側面も確かにあるようです。

しかし、メンバーの長沢博行はグルーブ解散後、長沢ヒロ名義でソングライターとして認められ、ジャニーズ系も含む男女アイドル&正統派歌謡曲、そして当然、CM曲やアニメ等々のサントラ音源までも良い仕事の連続ですから、日本で暮らしていれば、知らず知らずにその音楽は耳に入っているはずでしょう。

さて、そこで掲載したのは昭和50(1975)年からフジテレビ系列で放送されたテレビドラマ「新宿警察」のテーマ&エンディング曲を担当したあんぜんBAND名義のシングル盤で、まずはB面収録の「新宿警察のテーマ」こそが、如何にも刑事物らしいファンキーなインスト作品で、これが実にカッコE~~~♪

ちなみに作編曲はクニ河内で、本当にリアルタイムの同種の音楽的要点をギュ~ッと凝縮したあたりは、流石と思います。

しかし、一方のA面収録「終わりなき日々」がなかなかの謎と問題を含んでいて、曲作りに長沢博行が関与している事から、当然テレビ放送ではあんぜんBANDのレコーディングバージョンが使われたと思いきや、実際のエンディングでは正体不明のボーカリストが歌い、バックの演奏もおそらくはクニ河内であろう、オルガン主体のキーボードサウンドになっていたという、これは当時、実際に放送されていた同番組に接した時のサイケおやじの煮え切らない気分の象徴でした。

ただし、このシングル盤で明らかにウリになっているのは、その「終わりなき日々」であり、大袈裟なストリングと対照的なエレピのクールなセンス、熱気を孕んだホーンセクション、しぶといギターがハードボイルド&センチメンタルな曲調とボーカルにジャストミート!

あぁ、これこそ昭和50年の音と納得させられるのは、当時を生きていた証と思うばかりです。

ということで、結局のところ、安全BANDは商業的には成功したとは言い難く、確か昭和52(1977)年頃に解散……。残されたレコーディングは現在まで、それなりに纏められてはいるものの、それが今日まで広く聴かれているという話も耳に入らず、評論家の先生方もイマイチ、あんぜんBANDを取り上げてくれませんからねぇ~~~。

せめて、掲載シングル盤の収録2曲ぐらいは、大勢の皆様に楽しんでいただきたいという願いがサイケおやじにはあります。

そして、あんぜんBANDには「13階の女」という、日本のロック史に残る名曲があるわけですが、個人的には藤圭子の悲劇があってからは封印していますので、あえて、こちらをご紹介させたていただきました。

あんぜんBANDよ、永遠なれっ!

コメント
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