■平和を我らに / Plastic Ono Band (Apple)
新年早々、パリで突発したテロ事件は、自らの信奉を過剰な風刺の題材にされた事が原因と言われていますが、とにかくやらかした暴力行為は許されるものではありません。
しかし、襲撃した側にだって、それなりに筋目はあるはずで、だからこそ話し合いよりは我慢の限度を超えた行動に出たのでしょう。
フランスはもちろん、世界のあちこちで追悼の集会やデモ行進が行われている事の良し悪しは別にして、現実的にイスラム教徒への報復事件も頻発し、さらには襲撃された出版社が次号で再び過激な風刺を予定しているとの報道には、なにやら情けない気分がサイケおやじにはあります。
そりゃ~、やられっぱなしばかりでも!?
という気持ちはお互いに否定出来ず、それについてはサイケおやじだって分かっていますし、実際に自分が当事者であれば、同じ行動に走ってしまう事は必定です。
でもねぇ~、それじゃ~、何時までたっても暴力は沈静化しないわけで、とにかくパリの街中に完全武装した兵士が大勢警備している光景は、戦争そのものの様相ですから!?
実はサイケおやじには近々、海外出張が予定されていて、なんとっ!
昨日、その関係当局から、テロ事件には十分なる注意を!
なぁ~んていうお達しがあったんですよっ!
こっちは別に危険な地域へ行くはずもないのに、文明国がこのテイタラクでは、ど~しようもありませんよ。
さて、そこで思い出したのが1969年、ジョン・レノンがプラスティック・オノ・バンド名義で発表した「平和を我らに / Give Peace A Chance」です。
ご存じのとおり、この歌は当時激烈を極めていたベトナム戦争に反対する主旨があり、以降も湾岸戦争等々、世界的な紛争が起こる度にヨーコの意思もあって、再発され、歌い継がれてきたシンプルなロック曲です。
もちろん、この歌を大合唱したって、そこに平和が訪れるほど世の中は甘くありませんが、ひとつの意思を旗幟鮮明に出来ることは確かです。
フランスにだって、リアルタイムで発売されていた「平和を我らに / Give Peace A Chance」のレコードがあった事を忘れていない人は大勢存在しているでしょう。
この世に戦争ほどくだらないものはありません。
しかし、簡単にそれを止められないのが人間の宿業だとしたら、せめてひとつの歌を合唱する心ぐらいは、神様に残しておいて欲しいと願うばかりです。