■2 Nights At The Fillmore 2nd Show Midnight 31.12.1969 ~ 1.1.1970
/ Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)
/ Jimi Hendrix and The Band Of Gypsys (Voodoo Chile = CD)
01 ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra
02 蛍の光 / Auld Lang Syne ◎
03 Who Knows ◎
04 Stepping Stone
05 Burning Desire
06 Fire
07 Ezy Rider
08 Machine Gun ◎
09 Power Of Soul
10 Stone Free
※バンド・オブ・ジプシーズ
▲バンド・オブ・ジプシーズ 2
◎ライブ・アット・ザ・フィルモアイースト
CD2枚目は、この興業の実質的なメインエベントであるリアルタイムの越年ライブから、その前半を収録してあります。
その始まりは如何にもという「ツァラトゥストラはかく語りき / Also Sprach Zarathustra」の効果音的BGMで盛り上げておいてのカウントダウンで、その場はすっかり出来上がったところから、いよいよジミヘンのギターによる「蛍の光 / Auld Lang Syne」が実にカッコイィ~~です。
告白すれば、その昔、サイケおやじは宴会で「独りジミヘン」というボンクラなギター芸をやらかしては顰蹙の嵐だったという前科前歴を重ねた過去があるんですが、性懲りも無く、この音源に接した後には、これを忘年会用にコピーしようと無謀な挑戦をやらかし、挫折しました……。
ですから、今でも「蛍の光」が流れてくると、発作的にジミヘンの熱いエモーションが蘇ってくるという、所謂パブロフの犬ってやつですよ、これは!
で、そんな事もあり、思い入れも強い音源なんですが、それはそれとして、やっぱり「蛍の光 / Auld Lang Syne」から「Who Knows」へと続く流れ、そしてそのナチュラルな熱気にはシビレが止まりません。
ジミヘン本人も即興で年越しの感慨(?)を歌っていますし、ギターが絶好調ならばドラムスもメリハリが効いていますよっ!
新装版の2枚組CDに選択収録されたのも納得するばかりなんですが、この箱物では時々音が遠くなるという不思議があります。
そして続く「Stepping Stone」はスピード感満点の演奏で、ギターも生々しく、狂おしいとは言いながら、実は音質そのものが幾分薄っぺらで、如何にもサウンドボード直結のライン録りの欠点というか、拍手歓声もほとんど引っ込んでいるので臨場感という点ではマイナスの印象です。
しかし、それでもテンションの高い演奏は続き、チューニングから始まるアップテンポの「Burning Desire」は、その短さからリハーサルみたいな完成度しかありませんが、バンドアンサンブルは至極カッコイイですよ ♪♪~♪
逆に言えば、だからこそ、エクスペリエンス時代からの十八番「Fire」が手慣れた雰囲気の中にも観客やリスナーを満足させるハードロック性感度は極めて高く、ギターが暴れまくれば、ドラムスもビシバシにパワーヒット! もちろんベースも土台を揺るがさんばかりの勢いです ♪♪~♪
う~ん、やっぱり新曲にも期待はしますが、こ~ゆ~人気演目はライブの現場の熱気には必要十分条件でしょうねぇ~~♪
ただし、音質的に、このトラックあたりからボーカルとコーラスのミックスが小さくなっているのは???
ですから思わせぶりにスタートする「Ezy Rider」ではバンドアンサンブル中心に聴いてしまうという、なんともバチアタリなサイケおやじではありますが、ジミヘンのギターに稚気を感じてしまうほどで、あぁ……、こんな不遜をお許し下さい。
特に終盤からのギターソロではスキャットの二重唱が絶品ですからっ!
そして始まる「Machine Gun」が、これまた凄いっ!
自らの激情を抑える様な慎み深いところから、抑えきれない気持ちの心情吐露、それが益々不条理を誘発させるんでしょうか、自暴自棄的な歌いっぷりとギターの合いの手、さらにはズルズルとジミヘンの術中に落とし込まれてしまうアドリブソロ!
これまた名演でしかありませんねぇ~~♪
しかし反面、続く「Power Of Soul 」のリラックスした雰囲気は、前半のボーカルパートがほとんど聞こえない事にも原因があろうかとは思いますが、終盤からの逆襲も聊か空しい感じが……。
だからでしょうか、17分超の長尺演奏を繰り広げる「Stone Free」では、その中に「Outside Woman Blues」や「Sunshine Of Your Love」等々の有名曲を押し込んで我々を楽しませてくれますし、バディ・マイルスの成り行き任せ的なドラムソロもありますが、そんな千変万化の展開の中で、ジミヘンのギターソロには全く飽きることがありません。
あぁ~~、本当に最高だぁ~~~!
と、例によってサイケおやじの独断と偏見が大爆発してしまうのも、全てはバンド・オブ・ジプシーズの魔力とご理解願えれば幸いでございます。
ということで、このパートは既に述べたとおり、ライン録音の欠点というか、観客の拍手や歓声が薄~くしか聞こえませんので、所謂臨場感に乏しく、音質的にも厚みが欲しくなる感じではありますが、それゆえにしっかりとバンドの音が堪能出来ますし、ほとんどモノラルミックスに近いので、音量の不安定さも、それほど気にならないと思います。
次回はCD3枚目で、このステージの後半部分を取り上げますので、最終的な事は、持ち越させていただします。
失礼致しました。