OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ウケまくりのサンタナは大衆ロックバンドか!?

2011-04-20 16:07:27 | Rock

僕のリズムを聞いとくれ c/w 君に捧げるサンバ / Santana (Columbia / CBSソニー)

昨日ご紹介したブラック・サバスとは正反対、同時期にすんなりと我国の音楽ファンを虜にしたのが、ラテンロックのサンタナでした。

今更説明不要とは思いますが、とにかく1969年初秋の正式デビューアルバム発売から洋楽マスコミは挙って絶賛! そして映画「ウッドストック」での大熱演からセカンドアルバム「天の守護神」のロングセラー! さらにそこからシングルカットされた「Black Magic Woman」のメガヒット!

そうした流れは当時のロックファンにだけ感じられたものでは決してなく、普通はそれをバカにもしているジャズファン、そしてラテン音楽等々の愛好者、さらには一般大衆までもが流行歌を楽しむように接していたんですからねぇ~~♪

要因は様々にあろうかと思いますが、特に賛否両論的に良かったのが演じている歌と演奏の歌謡曲性でしょう。

このあたりについては後年、「哀愁のヨーロッパ」でも立派に実証されるのですが、サンタナが最初にブレイクした当時は歌謡曲の世界でもラテンミュージックを巧みに取り入れたムードコーラスグループが人気を集めていましたし、その汎用性が我国独得のリズムとして生み出されたドドンパの発明であったり、とにかく歌謡曲全般に深く根ざしていた美味しいキモだったことは間違いありません。

というよりも躍動的で哀愁も滲むラテン系音楽のリズムやメロディが、日本人の感性にジャストミートしていたんでしょうねぇ~~♪

その意味で本日の1枚は、まさに日本人向けとも言える好カップリングで、前述したアルバム「天の守護神」からのシングルカット盤♪♪~♪

まずA面「僕のリズムを聞いとくれ / Oye Como Va」はラテンミュージックの大御所たるティト・プエンテのヒット曲カパーなんですが、リアルタイムのサイケおやじはそんな事を知る由もなく、どっかで聞いたことあるなぁ~、とノーテンキにノッていましたですねぇ~♪

もちろんサンタナのギターはメロディアスに泣き、ウキウキするようなラテンビートはポリリズムの分かり易い混濁さが実に上手いところなんですが、なによりも素敵なのは、ある意味での胡散臭さと猥雑なムードのロック的な解釈でしょう。

まあ、このあたりは完全に後付けの屁理屈ではありますが、そこかしこにまき散らかしてくれフィール・ソー・グッドな味わいは世界共通の認識として、サンタナが地球規模でウケている秘密だと思います。

そしてB面の「君に捧げるサンバ / Samba Pa Ti」が、これまた今やスタンダード化したというか、ディスコやピンサロではチークタイムや閉店のクロージングテーマとして、あるいはストリップやフロアショウでの使用頻度も極めて高いという官能的なメロディがたまらないインスト曲の決定版♪♪~♪

スローなテンポでサンバやボレロのリズムを巧みにミックスさせながら展開される構成の中で、カルロス・サンタナのギターがエロティックな音色で魅惑のフレーズを積み重ね、さらにはバンド一丸となった情熱的なグルーヴのねっとり感は、実にアブナイ雰囲気に満ちていますよねぇ~~♪

ちなみにサンタナといえばメンバーチェンジが初期からの日常茶飯事でしたが、この当時はカルロス・サンタナ(g.vo)、グレッグ・ローリー(key,vo)、デイヴィッド・ブラウン(b)、マイケル・カラベージョ(per,ds)、マイケル・シュリーヴ(ds,per)、ホセ・チェピート・アリアス(per) がメインになっていたようです。

ただし実際のレコーディングには数名のゲストが参加していますし、ライプの現場でもそれは常態化していたというのが定説でしょうか。

それでもこの当時のサンタナには、神秘的なムードを自然体に醸し出していく野性的なパワーがあったと思いますし、その中で確固たる存在感を示すカルロス・サンタナのギターからは所謂歌謡曲なフレーズも飛び出し、また同時にラテンパーカッションをメインに使ったリズム的興奮への誘いは、まさに温故知新で唯一無二!

それが特に顕著なのが、このシングル盤両面の2曲として、今もってライプステージでは必須の演目になっているほどです。

最後になりましたが、カルロス・サンタナのギタースタイルは当然ながらブルースロックの発展形かもしれない中で、マイナースケールの使い方が抜群に上手いと思いますねぇ~♪ もちろんそうしたやり方は、センスの無い者にとってはイモを演じる失笑大会が必至の危険水域ですから、不遜にもコピーする時には気持の整理が必要かもしれません。

ということで、このシングル盤が売れまくっていた1971年は、我国でも洋楽がグッと身近になった時期でもありました。それは既に述べたようにキャバレーやストリップ劇場等々だけでなく、時にはパチンコ屋とか商店街にもサンタナの歌と演奏が流れていた記憶も鮮明であり、ハコバンのプロやアマチュアバンドでも、このあたりが出来なければお呼びじゃないっ!?!

ある意味ではビートルズやストーンズ以上に我国では需要のあったサンタナの大衆性は、懐メロを超えた存在感が今も健在だと思います。

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