OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

25時の幻想と喜び

2021-09-11 19:42:30 | Rock

25 O'Clock / The Dukes of Stratosphear (Virgin)

   A-1 25 O'Clock
   A-2 Bike Ride To The Moon
   A-3 My Love Explodes
   B-1 What In The World?? . . .
   B-2 Your Gold Dress
   B-3 The Mole From The Ministry

「趣味」というのは「拘り」とは切り離せない個人的嗜好ですから、そこに殊更自分の求めている何かを見つけてしまった時の喜びは至福であり、それがあるからこそ、抜け出せない麻薬的な魅力が?

なぁ~んて、またしても大仰に構えた書き出しをやらかしてしまったのも、全てはサイケおやじの無様な言い訳と許しを請うたところで本日ご紹介するのは、1985年にデュークス・オブ・ストラトスフィアと名乗るバンドが出した6曲入りのミニアルバムなんですが、とにかくっ!?!

このジャケットデザインだけで、ゾクゾクさせられてしまったのがサイケおやじの偽りのない本音であり、そして中身がっ!

これまたサイケおやじの大好物というサイケデリックなロックのゴッタ煮だったんですから、たまりません (^^♪

なにしろ、A面ド頭のアルバムタイトル曲「25 O'Clock」からして、その昔(?)、サイケおやじを眠れないほどに興奮させたエレクトリック・プルーンズの「今夜は眠れない / I Had Too Much To Dream」を強烈に想起させる恣意的な音楽衝動にゾクゾクさせられましたですねぇ~~♪

そして続く「Bike Ride To The Moon」が初期のピンクフロイドに後期のヤードバーズが憑依した様な仕上がりならば、Aラスの「My Love Explodes」は中期ビートルズのサイケデリック路線を後追いしていたホリーズが、ついにはムーブやドアーズ等々を巻き込みながら、ドグラ・マグラな音世界!?

ですから、レコードをひっくり返すという儀式を経てのB面には、ドシャメシャなサイケデリックロックの桃源郷が繰り広げられ、「What In The World?? . . .」がビートルズの「Tomorrow Never Knows」から「Strawberry Fields Forever」&「I Am the Walrus」の流れであったり、「Your Gold Dress」はアイアン・バタフライがラガロックした挙句にスマイル期のビーチボーイズに変遷したり、オーラスの「The Mole From The Ministry」に至っては、プロコル・ハルムブルー・チアーと合体しながら、支離滅裂にビートルズをやってしまったというか…… (^^;

もはやサイケおやじの稚拙な筆では説明表現は不可能なマジカル&ミステリーなロック世界が提供されているんですねぇ~~♪

しかも、ご丁寧な事には、最後の最後になって、あの「サージェント・ペパーズ」の大団円に敬意を表したのでしょう、逆回転の短い音声トラックまでが仕込まれているんですから、このあたりは皆様が聴いてのお愉しみ (^^ゞ

もちろん、冒頭に述べたとおり、これはミニアルバムですから、1曲あたりの演奏時間は長くても5分台で、ほとんどは2~4分程度という、これまた完全に往年のロック仕様というあたりは、物足りなくも、実は濃密という結果オーライなんてすねぇ~~♪

書き遅れてしまいましたが、録音やミックスにしても、ギターやドラムスが左右にきっちり分離定位していたり、全体的に潰れた様な音質にしてある印象までもが、1960年代のサイケデリックロックに拘った感じで、嬉しくなりますよ (^^♪

ですから、サイケおやじとしては、もっともっとデュークス・オブ・ストラトスフィアのレコードが聴きたくなり、掲載盤をゲットした某輸入盤店を急襲したところ、あぁ~~、あれですかぁ~~、と言いながら店のバイト君が出してきたのが、なんとっ!

「XTC」という、イギリスのニューウェーブ系バンドの諸作だったんですから、クリビツテンギョウォ~~!?!

だって、そんなバンドはサイケおやじ的な先入観年からすれば、守備範疇外でしたからねぇ~~ (^^;

そこで虚心坦懐にバイト君の解説に耳を傾ければ、このデュークス・オブ・ストラトスフィアは、XTCの覆面プロジェクトだという事で、そ~言われてみれば、レコードジャケットに記載のメンバー名が Sir John Johns(vo,g,b)、The Red Curtain(b,vo,g)、Lord Cornelius Plum(key,g)、E.I.E.I. Owen(ds) なぁ~んていう、如何にも「らしい」芸名(?)になっているところからして、さもありなん!?

実は、件のXTCは当時、様々な事情から煮詰まっていたらしく、そんなこんなから自分達が影響を受けた往年の名作ロックを再現するルーツ探求、つまりは温故知新の楽しみに浸りながら、新しい道を模索していたという結果が、このデュークス・オブ・ストラトスフィアだったという事らしいですよ (^^;

そのあたりは、所謂ニューウェイブには全く疎いサイケおやじにとっての水先案内だったかもしれず、しかし……、積極的に聴いて良いのか、否か……。

そ~した偏屈な気持ちとの葛藤があったのも、また偽りのない本音でありました。

ということで、実際に演奏している「Sir John Johns」はアンディ・パートリッジ、「The Red Curtain」はコリン・モールディング、「Lord Cornelius Plum」はデイヴ・グレゴリーというのが、当時のXTCの正規メンバーらしく、「E.I.E.I. Owen」はイアン・グレゴリーというのが本名(?)とされていますが当時は、これ以上は知る由もありませんでした。

しかし、意を決して、XTCのレコードを聴き進めるうちに、本末転倒な快感と申しましょうか、漠然としてはいますが、聴かず嫌いは勿体ないバンドだったなぁ~~、と自嘲していたのがサイケおやじの本性というわけです。

ちなみに、デュークス・オブ・ストラトスフィアは、この2年後に「ソニック・サンスポット」というアルバムを出しているんですが、こちらは大衆路線というか、分かり易さを意識した、失礼ながら幾分安易(?)な仕上がりだったのが、残念というか……(^^;

また、この2枚のアルバムは当然ながらCD化もされたんですが、ミックスが変えられていたり、音質も整理整頓された感じが強く、これまた最初に接した時の衝撃度が薄れてしまった様な…… (^^;

そのあたりも含めまして、追々に掘り下げていきたく思いますので、よろしくです。

あぁ~~、サイケデリックロックは、不滅!

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