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サイケおやじの生活と音楽

追悼:坂本龍一 ~ 前川清の雪列車を聴きながら

2023-04-03 19:28:57 | 追悼

雪列車 / 前川清 (Another / RVC)

坂本龍一の訃報に接し、あらためて故人の偉業をあれやこれやと回想しております……。

もちろん、それについては説明不要とは思いますが、坂本龍一と云えば、とにかくも細野晴臣と高橋幸宏と共に結成活動したイエロー・マジック・オーケストラ=YMOとしての世界的な大成功に続き、映画音楽の分野でも「戦場のメリークリスマス」ゃ「ラストエンペラー」等々の他にも夥しい作品を発表し、また自らのリーダー作品も現代音楽 ~ ジャズフュージョン ~ ポップミュージック等々の範疇に留まらない、非常に広範囲な創作力は、正に天才の証明でありました。

そして皆様ご存じのとおり、故人は主義主張にも自らの思想を旗幟鮮明にしており、時には哲学的な解釈を求められる場合も少なからずあったとは思いますが、それとは逆に大衆文化を軽んずるなんてこたぁ~、決して無かった事は、お笑い系バラエティ番組との関わりや様々なCM関連の仕事、さらには童謡や歌謡曲への楽曲提供も含めて、これまた常に先端先鋭でありながら、親しみ易さを忘れないという姿勢が、サイケおやじには心底尊敬の念を抱かされるところです。

実は、サイケおやじは幸運にも、1980年代のある日、坂本龍一と僅かばかりではありましたが知己を得る機会に恵まれ、それまでの個人的なイメージであった「気難しさ」よりは、とても「気さく」な人柄に驚かされた想い出があります。

また、その時の坂本龍一の体格の良さにも、意表を突かれたというか、これまた驚きでありました。

さて、そこで本日ご紹介するのは、内山田洋とクール・ファイブのリードボーカリストたる前川清が本格的なソロ活動に入った昭和57(1982)年10月に発売した掲載シングル盤のA面曲「雪列車」でありまして、これが作詞:糸井重里&作編曲:坂本龍一が手掛けたエレクトリックポップなAOR歌謡曲の大傑作 (^^♪

そのミディアムテンポで繰り広げられるサウンドの幻想性とキャッチーな曲メロは、これまた糸井重里の恣意的なウケ狙いとも思える歌詞の世界共々に前川清が持ち前の個性てある、あの「しつっこい」節回しと歌心にはジャストミートの仕上りですよ (^^♪

いゃ~~、当時の坂本龍一と云えば、とにかくYMOでの大ブレイクから各方面で多忙を極めていながら、同年2月には、これまた当時絶頂期だったRCサクセションの忌野清志郎とコラボしたシングル曲「い・け・な・いルージュマジック」を出し、これは某化粧品メーカーのCMソングでしたから、忽ち爆発的なヒットとなった勢いは、この前川清の「雪列車」の話題性にも直結していたんですねぇ~~♪

ところが……、現実的には従来の演歌 ~ 正統派歌謡曲を求めていた根強いファンには受け入れられず、また、このシングル盤の1ヶ月後に出された前川清のソロアルバム「Kiyoshe」も、これまた無視されてしまったのはリアルタイムでの厳しい仕打ち……。

しかし、サイケおやじは基本、テクノポップはNGでありながら、このシングル曲「雪列車」や件のアルバム「Kiyoshe」が好きになってしまいましたし、現在のシティポップのブーム、つまりニューミュージックの再発見・再認識という流行の観点からしても、坂本龍一と前川清のコラボ作品は、お楽しみいただとうございます。

ちなみに齢九十を過ぎているサイケおやじの母も、この「雪列車」が大好きなんですよ (^^♪

ということで、故・坂本龍一については、まだまだ書き足りないのが本音ではありますが、果たしてサイケおやじに何が分かるんだぁ~~、という気持ちも強いです……。

謹んで、故人のご冥福を祈るばかりでございます <(_ _)>

合掌。


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1 コメント

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赤道小町 (中田商店)
2023-04-04 13:58:24
「ライディーン」(RYDEEN)1979年 作曲:高橋ユキヒロ 編曲:YMO この楽曲につきますね。この曲女性が歌っているバージョンもあります。
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