OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

これは本物! 歌謡ソウル!

2013-05-22 15:34:58 | 歌謡曲

可愛いあなただから / ズー・ニー・ヴー (日本コロムビア)

GSブームの中でレコードを出していたバンドは、基本的に歌謡曲をやらなければなりませんでしたが、それにしたってロック系、フォーク系、R&B系等々、多様化していたところに面白味がありました。

本日の主役たるズー・ニー・ヴーは、何んと言っても「白いサンゴ礁」のロングセラーヒットによって、歌謡フォーク寄りのグループと思われがちですし、実際、ズー・ニー・ブーとして集まったメンバー各々はそういうルーツを持っていた事は確かです。

しかしサイケおやじがズー・ニー・ヴーのライプに最初に接した時は、サム&デイヴテンプテーションズ等々の黒人ソウルのカパー曲をやっていましたし、歌も演奏もかなり本格的だった事は、ズー・ニー・ヴーが残したアルバム「ズー・ニー・ヴーの世界」を聴けば納得されるはず!

つまりシングル盤は、あくまでもレコード会社の方針に従ったヒット狙いとメンバーは割り切っていたとしても、ライプの現場を体験していたコア(?)なファンの困惑は推して知るべしであって、このあたりは例えばゴールデン・カップスを代表格として、リアルタイムで活動していたプロのグループがそれぞれに苦悩(?)していた事柄のひとつだったと思われます。

ですから、如何に早く自分達本来のサウンドをシングル盤で出せるかが、商業的な成功よりも大切にされていたフシさえあったんじゃ~ないでしょうか。

と言うよりも、そういう志(?)を持っていなかったら、逆に不思議ですよねぇ~~。

本日掲載のシングル盤A面曲「可愛いあなただから」は、まさにこれぞっ! ズー・ニー・ヴーの本領が発揮された傑作で、発売された昭和44(1969)年の洋楽事情を鑑みたとしても、この真っ黒なサザンソウルのフィーリングを歌謡曲に活かせたのは実力の証明!

とにかくイントロからグッとシビれるディープな雰囲気の良さは、いきなりのキメとなっている英語による語りさえもイヤミがありませんし、モロにムード歌謡なコーラスがジャストミートしているんですから、たまりませんねぇ~~♪

しかも町田義人のリードボーカルが唯一無二の素晴らしさで、その声質の個性は不滅の輝きでしょう。

ちなみに楽曲の作詞は阿久悠なんですが、作編曲を担当した田辺信一は非常に幅広い分野で秀逸な仕事をしながら、何故か一般的には知られていないのが勿体無い才人で、この「可愛いあなただから」の分かり易い本物感覚の凄さだけでも、要注意と思います。

ということで、しかしそれにしても、このジャケ写はあんまりですねぇ~~♪ 確かに当時の洋楽グループには似たようなコンセプトの写真やレコードデザインが残されていますが、これだけリアルなソウル歌謡をやってくれたズー・ニー・ヴーにはミスマッチですよっ!

願わくば、ひとりでも多くの歌謡曲ファン、ソウル歌謡大好き人間の皆様にお楽しみいただきたい、これも昭和の素敵な歌であります。

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