OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

美しき流れの中の彼女

2022-09-12 17:47:39 | 歌謡曲

おもいで / 川口礼子 (日本コロムビア)

売れるために、歌謡曲シンガーが数度の改名をするのは昭和芸能界の定石だったので、本日掲載のシングル盤で歌っている川口礼子にしても、幾つかの芸名で活動していたのは歌謡曲マニアの研究報告によって明らかになっています。

中でも、一番有名(?)なのが、昭和48(1973)年前後にアイドルを演じていた時の「里美ゆり」だと思いますが、おそらく「川口礼子」は、それ以前にベタベタの歌謡曲を聞かせていた頃の芸名でありましょう。

なにしろ、ここにA面収録された「おもいで」は作詞:なかにし礼&作編曲:川口真という、輝かしいクレジットが入った正統派歌謡曲であり、ミディアムテンポの泣きメロという展開は、発売された昭和46(1971)年の流行邦楽サウンド!?

如何にも川口真らしい欧州ポップス系のストリングスの用い方や幾分勿体ぶったメロディ展開は、ちょい前の弘田三枝子、あるいは同時期の由紀さおり???

みたいな別れの歌謡ポップスがド真ん中であり、もちろん、なかにし礼の綴った歌詞の世界には具体性と抽象性の不思議なバランス感覚があるもんですから、川口礼子の歌いっぷりも真っ向からネチネチと節回しつつ、生真面目なフィーリングが、それを中和している感があるんですが、いかがなものでしょう (^^;

そして彼女の歌唱力は、なかなかに秀逸だと思うんですが、微妙に時代にアクセスしていないところも散見される様な……、それはジャケ写デザインが既に当時としてもキッチュなアナクロニズムと申しましょうか、失礼ながら、そんなふうにサイケおやじは眺めてしまうんですが…… (^^;

しかし、もしも、これが2~3年前、例えば昭和44(1969)年前後に発売されていたとしたら、相当にウケたんじゃ~なかろうか?

なぁ~んて、不遜な想いが確かにあるんですよ (^^;

それでも告白すれば、サイケおやじが掲載盤をゲットしたのは当然ながら中古であり、それも昭和50年代前半の某日でありましたから、結局のところ、昭和歌謡曲の美しき流れの中に作られた裏名曲という印象で聴いておりましたですよ (^^;

う~ん、だから、昭和歌謡曲は魅力と面白さが不滅なんでしょうねぇ~~♪

ということで、「川口礼子」について、本日はここまでとさせていただきますが、改名後の彼女、例えば「里美ゆり」のシングル盤もゲットしてありますので、近々ご紹介させていただく所存です <(_ _)>

そして、このあたりの音源も復刻されれば嬉しいかぎりではありますが、あんまり売れない気もしますんで、中古市場の活性化に繋がれば?

そんな気分のサイケおやじであります。


コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« それでも、やっぱり歌謡曲 | トップ | 小西まち子はウルフカット »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歌謡曲」カテゴリの最新記事