OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

それでも、やっぱり歌謡曲

2022-09-11 17:15:38 | 歌謡曲

涙がほしい / 朱由美子 (エレック)

本日の掲載盤で歌っている朱由美子(あけゆみこ)は、フォーク系のシンガーだったと云われているんですが、サイケおやじは彼女について、知るところも僅か……。

しかし、このシングル盤の歴史的価値は、それなりに高いんじゃ~なかろうか?

そんなふうに思っているのは、制作発売したのが昭和40年代後半に吉田拓郎や海援隊、丸山圭子古井戸、そして泉谷しげる等々をブレイクさせ、歌謡フォークの大ブームを牽引した我が国の元祖インディーズレーベル「エレック」発足当時の1枚であり、しかも内容がベタベタの歌謡曲という、最初に聴いた時の驚きがあるからなんですねぇ~~!?!

つまり、件の「エレック」は昭和44(1969)年に設立され、当初は通信教育用の音源制作をやっていたところから、初めての公式流通盤が文化放送の人気DJだった土居まさるの歌手デビュー作「カレンダー」で、これが深夜放送をメインにヒット!

それが昭和44(1969)年初夏~秋頃でしたから、いよいよ土居まさるがフリーとなってテレビでも活躍する様になったのは皆様ご存じとおりですし、そんな勢いから「エレック」も深夜放送という新しい若者文化に着目したのでしょう、そこで人気を集めていたアングラ&歌謡フォーク、そしてGSからの流れで胎動し始めた日本のロックを制作し始め、前述した人気シンガー&グループを世に出したのですが、さて、その狭間に公式デビュー作と云われる本日掲載のシングル盤を吹き込んだのが朱由美子(あけゆみこ)であり、カタログ番号「EB-1002」から類推すれば、件の土居まさるに続いて昭和44(1969)年の「エレック」制作による第二弾という事になりましょうか。

で、作詞:佐藤京子&作曲:青山哲男、そして補作曲:高部伸夫とクレジットされた気になるA面曲「涙がほしい」は既に述べたとおり、同時期の黛ジュンの諸作を想起させられるミディアムテンポの歌謡曲で、それを山屋清のアレンジの所為もありましょうが、ちょっぴりジャジーなフィーリングを滲ませて節回す朱由美子(あけゆみこ)は、なかなか上手い歌手という印象が残ります。

特にマイナー調のベタベタしたメロディ展開を必要以上の泣き節で演じておらず、慎みが感じられる情熱を表出させていると思ってしまうのは、サイケおやじだけでしょうか。

ジャケ写ポートレート、そして全身ポーズのショットからも彼女はルックスも相当にイケていたはずですし、それでも残念ながら、サイケおやじはライブギグやテレビ出演等々に接した記憶が皆無という現実は、悔しくも、せつないところ (^^;

もしかしたら、所属レコード会社の方針から、他に出したシングル曲に歌謡フォーク系の音源があるんじゃ~なかろうか?

てなことを妄想しながらの猟盤活動も、なかなか楽しいとはいえ、良い出会いは……、ありません (^^;

ということで、結局のところ、サイケおやじが掲載盤を中古ながらゲットしたのは、ジャケ写の魅力と発売したのが「エレック」という、インディーズの名門(?)だったが故の事でして、もちろん丸山圭子みたいな歌と演奏を期待して、実は中身は本物の歌謡曲だったという、その落差に愕然とさせられた思い出の1枚なんですよ、これは (^^;

でも、それも楽しいと思ってしまうのが、猟盤活動の魅力のひとつであります。

止められませんねぇ~~♪


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