OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

かおりの自嘲と褒章のブルース

2022-05-10 19:47:30 | 歌謡曲

少女時代 c/w 街 / 桃井かおり (フィリップス)

今年の春の叙勲で、正直驚いたのが、桃井かおりへの紫綬褒章でありました。

もちろん、彼女が素晴らしい女優という認識はサイケおやじにもありますが、あの脱力して倦怠感が露骨な台詞回しや所謂「華」の無い佇まい等々は、決して叙勲に相応しいとは思えなかったんですよ、失礼ながら (^^;

しかし、例えば日活ニューアクションと称された昭和40年代の映画作品で顕著に提示されていた、「カッコ悪いことが、カッコイイ」という、ヒネた演技姿勢を自然体で見せてくれた女優としては、彼女は件の諸作には出演していなかったとはいえ、それでも、なかなか新しい存在感があった事は確かですし、それは昭和40年代半ば頃から夥しく出演して来たテレビドラマや映画・演劇での芝居において、確実に証明されていたんですが、そこで汚れ役も厭わない彼女が、実は裕福な良家のお嬢様育ちという出自を知ってみれば、尚更に倒錯的な気分に浸れるわけですし、それを逆手に活かしていたのが、桃井かおりの女優としての覚悟だったと書けば、愚かな勘違いとして、お叱りは重々承知しているところです <(_ _)>

そして、そ~した桃井かおりの個性は歌手としても発揮され、自嘲や不貞腐れを憧れや夢と同等に歌い込んだ楽曲は、味わい深いものばかりで、例えば昭和53(1978)年に出した本日掲載したシングル盤A面曲「少女時代」は、もしかしたら彼女の自伝的な歌?

とまで思い込まされてしまうのは、やはり作詞が彼女自身であり、荒木一郎が附したメロディがオールドスタイルのジャズブルース歌謡ですから、アンプラグドな演奏のアレンジが憂歌団のギタリストである内田勘太郎という人選も大正解の大傑作!

もしかしたら、演奏パートは憂歌団なんでしょうかねぇ~~~?

桃井かおりの脱力した節回しにジャストミートの演奏パート共々に、妙に感情移入されられてしまいますですよ (^^;

ということで、冒頭に「驚いた」と失礼な事を書いてしまいましたが、やはり「ロマンポルノ」にも出演していた女優さんに叙勲という栄誉は、本当に嬉しいです (^^)

最後になりましたが、本文中には触れなかったものの、ここにB面収録の「街」も作詞:桃井かおり&作曲:荒木一郎が作り出した素敵な歌が聴かれますので、ぜひっ!

う~ん、やっぱり、桃井かおりには独特の魅力がありますねぇ~♪

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