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サイケおやじの生活と音楽

ロン・ダンテの素顔の登場

2013-09-07 15:17:17 | Pops

青空に抱きあげよう c/w 恋の秘密 / Ron Dante (Kirshner / 日本ビクター)

名前や顔は知らずとも、洋楽ファンであれば、誰もが一度は聴いた声の持ち主がロン・ダンテ!?

つまりロン・ダンテはセッションシンガーとして夥しいレコーディングに参加し、ある時はバックコーラス、そして楽曲優先で作られた所謂実態の無いグループ、例えばアーチーズカフ・リンクス等々のリードボーカリストして、幾つもの大ヒットを歌っています。

そしてもちろん、自己名義のレコーディングも相当にあるんですが、何故かひとつも目立ったヒットが放てないというのは、これ如何に!?

尤もそれらはロニー・ダンテ、あるいはロニー&ダート・ライダーズ、そしてプロの道に入った頃にやっていたトリオ編成のデタージェンツというボーカルグループも含めれば、やはり些か覆面性(?)が強い活動であったところに原因があるのかもしれません。

さて、そこで本日掲載のシングル盤は、1970年にロン・ダンテ名義で堂々(?)と出されたものですが、その経緯については前述したアーチーズの大成功によるご褒美的な意味合いも感じられ、当然ながらプロデュースは同じくジェフ・バリーが担当した秀逸作になっています。

しかし既に述べたとおり、決して売れたとは言えない結果は、収録両面2曲共々に当時の流行を上手く取り入れたキャッチーな作風を感じるほど、世界の七不思議に近いものと思いますねぇ……。

それはA面「青空に抱きあげよう / Brings You Up」における、ニューソウルとバブルガムポップスの巧みな融合による絶妙の匙加減♪♪~♪

またB面「恋の秘密 / How Do You Know」では、チープなオルガンやシンプルなリズムアレンジが印象的なガレージ系サウンドとサイケデリックポップスの残滓が好ましくミックスされた、これがなかなかに魅力溢れる仕上がりが楽しめるんですから、ポップスファンならばシビれて当然だと思うんですよ。

ちなみに曲を書いたのはアーチーズの一連のヒット作品と同じく、両面共にジェフ・バリー&アンディ・キムの名コンビなんですが、実は同時期にロン・ダンテは自己名義のアルバム「Brings You Up」を制作発売しており、そこでは負けず劣らずの素晴らしいソフトロック~バブルガムポップスの自作曲を披露しているですよっ!

そのLPについては後日、あらためてご紹介させていただきますが、個人的には、このシングル盤収録曲よりも好きな歌ばっかりという、全くのポップス隠れ名盤と思っていますので、非常に勿体無い気分ばかりが……。

そしてロン・ダンテはシンガーソングライターというか、自前で曲を作って、素晴らしく歌ってしまう才人のひとりだという思いを強くしています。

ということで、覆面歌手云々という認識のロン・ダンテは、もちろん芸名であり、本名は恥ずかしながら失念しているんですが、そういう事情を鑑みれば、活動範囲の広さや深さはサイケおやじの拙い鑑賞歴や想像を絶するはず!

どうか願わくば、ロン・ダンテのキャリアを万遍無く俯瞰したアンソロジーの発売を心から望んでいます。

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