OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

義理人情だって、もーつれだった頃

2023-06-06 19:09:46 | 歌謡曲

もーれつア太郎 / 桂京子 (東芝)

サイケおやじは基本的に古い人間なので、仕事諸々や私生活においての何事にもクールに割り切れないものを感じてしまい、平たく言えば「情に流される」という醜態を晒す事も度々ではありますが、しかし、この世には義理人情が必要なはずという心の支え(?)みたいな信念(?)は、ど~しても心の中から拭いきれないという、そんなこんなの気質を自分に染み込ませたのは、もしかしたら天才漫画家の赤塚不二夫が昭和42(1967)年頃から「少年サンデー」に連載を開始し、ちょい後にはテレビアニメも放送された超人気作「もーつれア太郎」だったんじゃ~なかろうか?

―― なぁ~んて事を漠然と思ってしまうのは、件の「もーれつア太郎」という物語が、子供ながらに両親亡き後に家業の八百屋を引き継ぎ経営し、個性豊か過ぎる周囲の人々や動物・怪物達と毎回義理人情の任侠話を繰り広げていたからで、そこには当然ながら赤塚不二夫ならではの破天荒なギャグや支離滅裂なオチ、加えて過剰な暴力や泣き笑いがテンコ盛りでしたから、殊更テレビアニメのモーレツさ加減は現代の放送倫理規定からは外れる内容だったと思うばかりです。

そして、もちろん、だからこそ爆発的なヒット作になったのはムベなるかな、登場人物にはヤクザ、ギャング、偽警官、ヤブ医者、フリークス、おまけに人間と会話する動物や地虫の類が様々に巻き起こす問題を主人公のア太郎と子分のデコッ八が知恵と勇気と人情で解決するという展開は、当時人気を呼んでいた任侠映画の子供向けギャグ作品と言えない事もなかったはずで、まあ……、それは今にして思う事ではありますが、とにかくもサイケおやじには、自然に刷り込まれた「何か」が、その「もーれつア太郎」にはあった様な気がしております。

で、本日掲載したのは、桂京子が歌ったテーマ曲「もーれつア太郎」をA面に入れたシングル盤なんですが、この主題歌からして、凡そ子供向けのアニメ作品には異質とも思えるド演歌任侠歌謡であり、ちょいと大袈裟なブラスのイントロから三味線メインの伴奏で歌われるミディアムテンポのメロディに附された歌詞は――

  こらえて生きるも男なら
  売られたケンカを買うのも男
  見せてやりたい肝っ玉
  ガンッといっぱつ しびれるたんか
  花のア太郎 江戸っ子気質

―― てなもんですから、これをグッと力んだコブシ全開で節回す桂京子の歌いっぷりも最高 ♪♪~♪

あぁ~~、こんな歌を毎週、テレビから聴かされていたら、刷り込まれないのは不思議というもんじゃ~ないでしょうか (^^;

ちなみに、こんな楽曲は既に述べたとおり、当時の我が国では任侠映画や時代劇が全盛だったので、巷では溢れかえっていたんですけどねぇ~~、それにしても、もうひとつ、後になって、このシングル盤を入手して驚いたのが、ここまで任侠ド演歌のメロディを書いたのが、ソフトロック歌謡やオシャレ系ポップス歌謡でヒットを連発していた、いずみたく!?!

いゃ~~、最初は目の錯覚からミスプリントかもしれないと思ったほどのインパクトがありましたですよ、サイケおやじにとっては (^^;

で、あらためて制作クレジットを確認してみれば、やはり作曲:いずみたく、そして作詞:河内洋&編曲:親泊正昇と記されているんですから、気になる皆様は、ご確認くださいませ。

ということで、義理人情なんて、何時の時代も「古臭い」と言われ続けてきたと思うんですけど、やっぱり人間社会には必要だと思うんですよ、サイケおやじには。

実は昨日から微妙に続いている仕事に関してのイザコザに対処するには、そ~ゆ~人間味があって然るべきと行動したいんですが、現在のサイケおやじには、話を通す術もなく……。

せめて、「もーれつア太郎」を心の中で歌っているのでした。


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