■雪にかいたLOVE LETTER / 菊池桃子 (vap)
今年も残すところ 1週間ということは、つまりはクリスマスがド真ん中なんですねぇ~~、世間は。
しかしサイケおやじは齢を重ねる度に、そんなキリスト教の行事に、なんで仏教徒が!?
なぁ~んていう融通性を欠いた天邪鬼な心持になりつつも、所謂クリスマスソングは大好きという自己矛盾を毎年繰り返しているんですから、自嘲する事で取り繕う場面が多々あり……。
そこで本年の1枚は、昭和59(1984)年末に発売された菊池桃子のシングル盤A面曲「雪にかいたLOVE LETTER」であります。
皆様ご存知のとおり、最近はキャリア官僚との再婚でマスコミを騒がせたりした彼女は、そのデビュー時から女の子アイドルの王道路線を歩んでいながら、必ずしも全てが順風満帆ではなく、その迷い道も回り道も、ファンが許容する以上に現在の彼女の存在意義(?)に結びついている様な気がするわけですが、それはそれとして、やはり芸能活動の初期段階では例のグラビア雑誌「Momoco」とのタイアップ的な売り出し方が賛否両論だったという……。
それは後に「おニャン子クラブ」へと継承されていくトーシロ芸能人の礎!?
と規定すれば体裁は良いんでしょうが、裏を返せば、一部のマスコミ優先という制作側の方針が、結果的に菊池桃子に対する風当たりの強さになっていたという側面は否めません。
しかし、それでもスタアとして輝いたのは、やはり菊池桃子の資質と努力でありましょう。
サイケおやじは決して彼女のファンではありませんが、それについては大いに称賛すべきと思っています。
そして歌手として発売されたレコードにも、なかなか素敵な楽曲が多いんですねぇ~♪
もちろん、それなりの歌唱力は褒められるレベルではありませんが、制作側の思惑をしっかりと体現するべく頑張った雰囲気が伝わって来るあたりが好きなんですよ ♪♪~♪
で、この「雪にかいたLOVE LETTER」にしても、秋元康が綴った歌詞は所謂「クリぼっち」であり、菊池桃子みたいな美少女が、そんな気分はロンリーを歌うところにミエミエの狙いがあろうとも、林哲司の作編曲にはマイナーでビートの効いた十八番の節がテンコ盛りですからねぇ~~、彼女のファンにとっては、あの甘え口調の歌いっぷりが結果オーライだったはずです。
実際、なんとなく置かれた感じのストリングスや産業ロック系のキーボードサウンドは洋楽の売れセンであり、他のアイドル歌謡とはちょいと別次元の仕上がりを狙っているところは、未だそれほど様々な音楽に親しんでいない若年層のリスナーの優越感さえ満足させるものでしょうし、菊池桃子の虚弱系ボイスにはドンズバ!
極言すれば、ジャケ写スリーブの彼女のポートレートと同じイメージの声が楽しめるのです。
うむ、こ~ゆ~裏切りの無さもアイドル歌謡には必要なんですねぇ~~♪
ということで、クリスマスソングには思いっきり楽しいか、あるいは胸キュンっぽい歌の二極分化が成立しているとすれば、アイドルがせつない感傷を聴かせてくれるレコードほど、ファンには好まれるんじゃ~ないでしょうか?
もちろん、普通に音楽が好きというリスナーにしても、クリスマスに事寄せてのセンチメンタルな気分はキリスト教徒で無くとも、何か特別なんでしょうねぇ~~。
まあ、それだけキリスト教が良くも悪くも世界に根を下ろしている証と云えばミもフタ無く、お叱りは覚悟しなければなりませんが、少なくとも素敵な歌がゴマンと作られて来た事は歓迎すべきと思います。
世界に平和を!