■夢のカリフォルニア / The Mamas & The Papas (Dunhill)
今となっては、何故もあそこまでアメリカ西海岸、所謂ウエストコーストが持て囃されたのか不思議になるほどですが、しかし実際、何時も青空が広がっている開放的な雰囲気は、やっぱり憧れの地だったのが1960年代を知っている者には共通の認識だったと思います。
で、そんなイメージを増幅させたのが、あまりにも有名な本日ご紹介の大ヒット曲「夢のカリフォルニア / California Dreamin'」でしょう。
ハリウッドポップスとフォークロックの美味しい部分を抽出凝縮し、最高に上手く融合させたサウンドと曲メロの素晴らしさ、気だるく、そして爽やかなコーラスで歌われる自由の天国を綴った歌詞より、カリフォルニアという理想郷の存在が世界に広められたのです。
まあ、しかし現実は明らかに違っているわけですが、そんなドロドロしたものを打ち消してくれるだけの力が、この歌にはあったということだと思います。
そして演じているママス&パバスは、主な曲を書いているジョン&ミシェール・フィリップスの夫婦、太った天使と呼ばれたキャス・エリオット、シブイ歌声のデニー・ドハーティという男女混声の4人組でしたが、メンバーは本来、ニューヨーク周辺でフォークソングや伝承ブルース曲を歌っていたキャリアがありました。
また、今では良く知られているように、ママス&パパスはアメリカの音楽業界では敏腕プロデューサ&マネージャーとして活躍していたルー・アドラーのプロジェクトだったわけですから、つまりは東海岸のハードな部分とハリウッドの虚構が巧みに混ぜ合わせられた、ある種の産業ロックだったという解釈もあるようです。
それは実際、この「夢のカリフォルニア」で聴かれる演奏パートが、間奏のジャズっぽいフルートや完璧なビートを提供するスタジオミュージシャンの助太刀によって作り出された点を考慮しても、あまりに業界主導の成果として、イヤミさえ感じられるほどの素晴らしさだと思います。
だからこそ、「夢 / Dreamin'」という言葉が、最高の効果を上げたのかもしれません。
とにかく「夢のカリフォルニア」は1966年に世界中で大ヒットし、我国でも国民がアメリカに、まだ純粋に憧れていたリアルタイムで大当たりしています。と、同時に、ママス&パパスの歌声から滲み出る一抹の儚さも魅力的に感じられ、それは追々、日本人にも分かってくるわけですが、そうした光と陰が甘酸っぱい1960年代の魅力に繋がっているのも事実でしょう。
今日、ママス&パパスといえば、完全に「夢のカリフォルニア」だけといって過言ではないと思いますが、ジョン・フィリップスは他にも素敵な曲を沢山作っていますし、グループとしてジャストミートするコーラスの魅力、その時代を象徴する存在感は、例え意図的に作られたものであったとしても、所謂ヒッピー文化のひとつの側面として評価されるべきでしょう。
いや、そんなことよりも、素直にママス&パパスの音楽を楽しむことが第一義でしょうねぇ。実際「Manday, Manday」「Dedicated To The One I Love」等々、他にも出ているヒット曲は、心地良いものばかりですよね。イーグルスが登場する前までは、このあたりがアメリカ西海岸に憧れる源のひとつだったのです。
そして連日、書いているうちに理屈が先行してしまうサイケおやじは、この歌を聴きならがら、反省しているのでした。
コメント、感謝です。
こちらでも、よろしくお願い致します。
ミシェールは正直、イイ女すぎますよね。
実際、彼女で人生を踏み外した男は多いですから。堂々と不倫をやっていたドハーティは、もちろん居心地も良くなかったでしょうし、有名なデニス・ホッパーとの結婚も!?! あまりにもハリウッド的でした。
確かジョンは一時期、悪いクスリでシャバを離れていましたし、早々とキャス・エリオットは本当に天国に召されてしまったし、ドハーティは昔の名前で出ています状態の中、ミシェールだけが、何時も華やかだったのは、当然が必然だったかもしれません。
唯一のソロアルバム、これがまた、素敵な名盤なんですよね♪
幼少の頃、何年かカナダで過ごしたせいか
ウエストコーストへの憧れっていうのはあまりありませんでしたね。
んでもって高校時代にママス&パパスのLPを手にしたときの第一印象は
「こいつ、やばそうな女だな~」でした。
もちろんミシェール・フィリップスのことなんですけどね。
なんかこの4組に入るには、突出していい女なんです。
そして、ジョンと夫婦関係にあることを知るに至って、
ドハーティ君の心中やいかに、と音楽そっちのけで余計なことばかり考えてました。
この書き込みをする直前にミシェール・フィリップスでwikiってみたら
あ~らビックリ。俺って天才?
コメント、ありがとうございます。
ニューヨークやシカゴは日本にいても、例えば東京あたりの雰囲気と似ていて、想像出来ると思いますが、ロス周辺のウエストコーストって、現地で体験しないと、決して分からない部分があるんですよね。
やっぱり憧れの地、それが歌われていた当時は、日本にも大きな影響がありましたよ。