OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

リリーズのB面名曲♪

2009-09-20 10:50:58 | 歌謡曲

頬つたう涙 / ザ・リリーズ (Philips)

GSプーム末期には様々な試行錯誤からキワモノバンドも数多く登場しましたが、同時に全くの正統派から新しい時代を開かんとしたグループも確かにありました。

本日ご紹介のリリーズも、今日ではソフトロックブームからの再評価が、皆様ご存じのとおりですが、リアルタイムでは昭和44(1969)年のレコードデビューから解散時まで、全く売れなかったのは周知の事実でした。

メンバーは佐々木孝(vo)、倉野健(g,vo)、南たかし(g,vo)、岸邦夫(key,vo)、秋山功(b,vo)、葵秀美(ds,vo) の6人でスタートしたようですが、最終的にはメンバーが流動的な5人組になったようです。尤も実際のウリは佐々木孝、倉野健、南たかしのフロント3人を中心にしたコーラスワークでしたから、結果オーライでしょうか。

実際、私が唯一度だけテレビで見たときはカラオケか、もしかしたら口パクだったかもしれませんでしたが、グループとしての演奏はやっていなかったと記憶しています。そしてベースの人だけが飛びぬけてオッチャンだったのも???

どうやら、その秋山功はGS期以前から様々なバンドに出入りしていたキャリアがあって、リリーズは再デビューのグループだったようです。というか、企画の段階から秋山功をリーダーにしたコーラスグループが想定されていたのかもしれません。

まあ、それはそれとして、私がリリーズって良いなぁ~♪ と思ったのは、このシングル盤がきっかけでした。

A面の「雨のささやき」はホセ・フェリシアーノが世界中で大ヒットさせた哀愁の名曲、その日本語カパーなんですが、それを何故か高校時代の同好会バンドでやることになり、そこで提示された模範が、このシングル盤だったのです。

正直、訳詞もイマイチだし、生硬なボーカルの節回しに場違いなストリングやコーラスが完全に時代遅れで、ダサいなぁ……、と思いましたですね。

この真相については後に知った事ではありますが、同好会の先輩として、ちょくちょく顔を出しては余計なお世話をやいていたお姉さまが、リリーズのファンだったという経緯だったようです。なにしろ彼女の実家はちょっとした食堂兼駄菓子屋だったでの、我々が溜り場にしていた事情もあれば、そのあたりをお察し願う他はありません。

当然ながら結果は悲惨なものでしたが、しかしB面に入っていた「頬つたう涙」は作詞:山上路夫、作曲:村井邦彦の名コンビによるお洒落なソフトロック歌謡の大傑作♪♪~♪ その哀愁のメロディと失恋の悲しみを綴った泣きの歌詞が、軽快なドラムスやジャズっぽいピアノで彩られた名演名唱として、今も新鮮さを失っていません。

またリードボーカルの朴訥な味わいと白人系コーラスグループの影響下にあるスマートなフィーリングが、抜群のコントラストで融合しているのです。イントロのオルガンからピアノとストリングスがリードしていくアレンジの妙も、最高の極み♪♪~♪

個人的には、むしろこっちをやりたかったほどです。

全くこれなんか、A面とB面が逆になっていたら、ヒットは確実だったと思うんですけどねぇ……。ちなみに発売は昭和45(1970)年2月頃らしいのですが、既に述べたようにヒットとは無縁のうちにグループは解散しています。しかし僅か3枚しか残せなかったシングル盤の計6曲が後にソフトロックのファンによって再発見されたも、リアルタイムではあまりにもスマートすぎたというか、洋楽っぽい意識が強すぎたプロデュースが裏目に出たのかもしれません。

中でもデビュー曲となった「ドアをあけて」はオリジナルのシングル盤が高値で取引され、また様々なオムニバスCDに復刻収録されるほどの人気になっています。しかしサイケおやじは本日ご紹介の「頬つたう涙」こそが、リリーズの最高傑作だと思うのです。

機会があれば、これこそ皆様に聴いていただきたい昭和歌謡曲の名品と断言致します。

CD化については不明なのが申し訳ないところですが、ぜひとも、お楽しみくださいませ。

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65 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
頬つたう涙 (南たかし(新井田高))
2014-08-01 14:02:45
ザ、リリーズで頬つたう涙のA面を歌ってたのが、私だよ、確かに頬つたう涙は今聞いてもいい曲ダネ、私の事知ってる人がいたら、メ-ルでも下さいじゃ-ね
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歓迎・南たかし様 (サイケおやじ)
2014-08-06 19:37:31
☆南たかし様
コメント、ありがとうございす。
レス、遅れて申し訳ございません。

時々、ご紹介したレコードに関して、ご本人からコメントをいただくことがあるんですが、毎度失礼なことも書いている拙文ですから、額に汗が滲みます。

それでも貴重なお話の数々は本当に嬉しくて、ネット時代の恩恵と皆様のご厚情に感謝感激です。

独りよがりの拙ブログではありますが、これからもよろしくお願い致します。
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半音上げ (南たかし)
2014-10-02 08:48:06
雨のささやきは、レコーディングの時テンポが遅くて、テープを早回しして半音上げで録音したんです、原曲はFm自分はF#mけっこうキツいキーで歌いました、
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真相は伝えられていくもの (サイケおやじ)
2014-10-02 15:02:37
☆南たかし様
直々のコメント、感謝です。

当時の貴重なお話は、現代の恩恵である電脳空間で、永遠に伝えられていくと思います。

ありがとうございました。
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gsファン (南たかし)
2014-10-03 09:24:48
当時の曲を聞いて、けっこう新鮮な気持ちになりますね、当時の事を知らないけど、ファンが居るんですね、今その方とメールのやり取りしてますよ、リリーズのファンで裏面が好きみたいです、自宅にgsの有線契約したそうです。
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新しいファンの出現 (サイケおやじ)
2014-10-03 17:02:04
☆南たかし様
コメント、ありがとうございます。

昭和40年代はGSブームも含めて、歌謡曲にも名曲名唱がどっさり残された時期だったと思います。
だからこそ、後追いのファンも出てきますし、その頃の音源の復刻が求められ、飽きずに聴かれているんじゃ~ないでしょうか。

未だGSを超えた日本のロックのブームが無いんですから、思い出と記録は大切にしていきたいと思います。
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また友達が (南たかし)
2014-10-06 19:21:54
又友達が亡くなった、フォーセインツ
の、ダニー石尾さんが亡くなった
そうです、gs病気に負けるなといい
たいです、話しは変わりますが、
昔の音源聞くと結構いいじゃない
ですか、嬉しいネ。37@9
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思い出のメロディは元気の源 (サイケおやじ)
2014-10-07 14:07:50
☆南たかし様
コメント、ありがとうございます。

ダニー石尾氏も逝かれましたか……。
往年のスタアの訃報に接する度に、ひとつの時代と自らの人生を重ね合わせてしまいます。

でも、昔の音楽を聴くと、確かに元気が蘇るんですよねぇ~。
そんなこんなをこれからも書き続けていいきたいと思います。
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サイケおやじさん (南たかし)
2014-10-09 18:46:48
悲しいですね、私は、リリーズとラブストーリーに居たんですが、今30数年振りに聴かせて貰いました、さすらいのギターは懐かしかった、本当にバンドやってて良かった、ファンの方がまだまだいますね。8046
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聴いても、やっても楽しい (サイケおやじ)
2014-10-10 15:20:25
☆南たかし様
コメント、感謝です。

ファンの気持ちを大切にしていただければ、僭越ながら、それは冥利というものと思います。

恥ずかしながら、今も私はアマチュアバンドに入れてもらっていますが、やっている楽しさは格別で、それもこれもベンチャーズやビートルズやGSのブームがあったからこそと、感謝している次第です。
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