■雨のエアポート / 欧陽菲菲 (東芝)
台風襲来、皆様はいかがでしょうか?
やっぱり各所で大きな被害が出てしまいましたが、こればっかりは人知の及ばぬところが……。
とにかく最善の策を選んで、実行するしかありません。
サイケおやじは、そういうわけで、昨夜は1日早い来訪に変更要請した仕事関係者を出迎えに某飛行場へ行った車中、思わず鳴らしてしまったのが、本日掲載のシングル盤A曲「雨のエアポート」です。
歌っている欧陽菲菲は説明不要とは思いますが、近年のお若い皆様には既に彼女の表記名が読めないという危惧から、あらためて「オーヤン・フィフィ」とご紹介させていただきます。
また、彼女の代表曲と言えば、ソウルフルなしっとり系パラードの「ラブ・イズ・オーヴァー」ばっかりが今では定番扱いですが、本格的に我国でレコードデビューを果たした昭和46(1971)年当時はアップテンポのロッキンソウルやブラスロック歌謡を得意にしていましたし、何よりも黒っぽいノリとカタコトながら歯切れの良い日本語詞の歌いっぷりが、唯一無二の個性として、大きな人気を集めた要因かと思います。
で、この「雨のエアポート」は、大ヒットデビュー曲にして必殺のベンチャーズ歌謡「雨の御堂筋」に続く追い撃ちの傑作で、作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平のヒットメーカーコンビが提供の意図を完全体現した欧陽菲菲ならではのビート歌唱が冴えまくり!
まさにパンチの効いた! という往年のフレーズがジャストミートですよ♪♪~♪
また、特徴的に重低音に拘ったカラオケパートの音作りも、当時の東芝サウンドと呼びたいほどに良い感じ♪♪~♪
ちなみに彼女の履歴としては、日本で活動する以前から台湾ではスタア歌手だったそうですし、今ではアジア全域で幅広い人気を集める国際派ですからねぇ~♪
実は欧陽菲菲は歌ばかりではなく、微妙な愛嬌顔と持ち前の明朗なキャラでステージのMCやテレビのバラエティ番組でもナチュラルにウケていた実相が有り、好き嫌いは別にしても憎めないタレント性は不滅でしょう。
そういう部分があってこそ、強靭な歌の実力が尚更に鮮やかな印象を与えてくれる側面も、なかなか素敵な魅力と思います。
ということで、欧陽菲菲も相当な数の歌謡曲レコードを残していますが、現在進行形のブツも含めて、極めてハズレの少ないボーカリストであり、時として曖昧な歌詞の表現も散見される節回しの妙が、逆説的に素晴らしく感じられるのですから、言ってみれば「芸能的な徳」があるんじゃないでしょうか。
サイケおやじは、そこが好きなのかもしれません。
最後になりましたが、今回の台風で被災された皆様には、心からお見舞い申し上げます。
コメント、毎度感謝です。
欧陽菲菲のボーカルフィーリングは確かに軽いですねぇ~、貴兄のご指摘で認識も新たにしております。
そしてそれゆえにソウルフルなタッチが脂っ濃くないんでしょうねぇ~。
それと高速蠢きのペースの件ですが、実際には聴いていないので確証はなくとも、おそらくは寺川正興のプレイかと推察しております。
当時の歌謡曲はシャープなドラムス、ドライヴしまくったエレキベースが大きな働きで、特徴的に大好きです♪
恐縮です。
寺川正興は本来ジャズ畑のプレイヤーで、ジョージ大塚トリオのレギュラーでした。特に当時のアルバムでは「ページ3」において、サイケデリックなエレキベースを炸裂させていますが、それゆえにイノセントなジャズファンからは疎まれてしまったとか!?
スタジオの仕事では江藤勲と双璧のファーストコールで、江藤勲がピック弾きの固い音に対し、自由自在に蠢きまくるのが寺川正興という聴き分けを私はしています。
そのプレイは当時の多くの歌謡曲、あるいは「歌の無い歌謡曲」のレコードで夥しく残されていますが、残念ながらクレジットが無いので、明確な論証は困難でしょう。
それと歌謡曲のライブレコーディングなんですが、普段は巡業用のバンドでやっているところを、ライブを録ると決まっていれば、それなりに優秀なプレイヤーを集めるそうですよ。
つまり人件費が高くなるんですが、それだけ凄い演奏じゃ~ないと、レコードにはならないという事なのかもしれません。
寺川正興のプレイにはついては、これからも追々に書いていきますので、よろしくです♪