OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

僕等の街のジョニー・リバース

2020-11-29 19:16:25 | Rock

僕等の街 / Johnny Rivers (Imperial / 東芝)

アイドルシンガーが大人の歌手へと転身する場合、それなりに成熟(?)した楽曲が必要となるのは言わずもがな、それは必ずしも成功するとは限らない、危うい「賭け」にもなっているんですが、しかし、当たればデカいっ!

本日のお題は、その一例として、ジョニー・リバースが1966年に放った大ヒット「僕らの街 / Poor Side Of Town」です。

ご存知のとおり、ジョニー・リバースはエレキギターをメインにしたR&Rスタイルを得意とするアイドルシンガーであり、「Memphis」「Maybellene」「秘密諜報員 / Secret Agent Man」等々のヒットを出しつつも、やはりビートルズやボブ・ディラン等々の社会現象時な大ブレイクに影響されたのでしょうか、自らレコードレーベルや音楽出版社を設立し、才人プロデューサーのルー・アドラーと共に西海岸ロック&ポップスを主導せんとする活動を本格化させたのが、1966年頃でした。

そしてフィフス・ディメンションやソングライターのジミー・ウェッブ等々を世に出したのは大きな功績となり、ついに自らもチャートトップの大ヒットになった「僕等の街 / Poor Side Of Town」を製作するのですが、これがジョニー・リバースとルー・アドラーの共作とクレジットされている事は当然でありながら、今では既定の裏話と申しましょうか、実は本当の作者は前述のジミー・ウェッブ!?!

そんなこんなも、ハリウッドばかりじゃ~ない、芸能界独特の掟(?)みたいなものがあるんでしょう。

おそらくは以降のルー・アドラーとジミー・ウェッブの関係性を鑑みれば、ある種の恩義を返したところかもしれませんが、しかし、それはそれとして、とにかくジョニー・リバースが歌った「僕等の街 / Poor Side Of Town」は素晴らしい仕上がりのソフトロック、あるいは白人ソウルミュージックであり、歌詞の意味の深層までは明確に分からずとも、その胸キュン性感度の高さは絶品 ♪♪~♪

それはミディアムテンポで疑似ボサロック調のリズムにフックの効いたメロディ、さらには深みのあるコーラス&ストリングスのアレンジ、加えて思わせぶりも程好いジョニー・リバースの節回しが絶妙にブレンドされた極上のポップスであり、ヒット曲の要件のほとんどを満たしている傑作と思うばかりです。

で、この演奏に関わったリズムセクションはテミー・テデスコ(g)、ラリー・ネクテル(p,key)、ジョー・オズボーン(b)、ハル・ブレイン(ds)という、ハリウッドにおけるスタジオセッションの世界ではお馴染みの面々であり、殊更ルー・アドラーがお気に入りの起用メンバーとして、夥しいレコードディングを残した相性の良さがあればこそ、アレンジにはマーティ・ペイチ、フルートにはバド・シャンクというモダンジャズ系の人脈が動員されているところにも、新時代のポップスが感じられる様に思います。

また、印象的なコーラスはクリスタルズの影武者(?)も演じていたダーリーン・ラブ、ファニータ・ジェームズ、そしてジャン・キングという顔ぶれのブロッサムズという事も嬉しいばかり♪♪~♪

つまりは西海岸ポップスの温故知新が凝縮された感があるんですねぇ~~♪

こ~した成果は同時期に製作発売されたジョニー・リバースのLP「チェンジス」全篇でもお楽しみいただけますので、この「僕等の街 / Poor Side Of Town」が気に入った皆様ならば、必聴かと思います。

ということで、ジョニー・リバースは日本では過小評価気味ですし、地元アメリカにおいても、ゴーゴースタイルのオールディズスタアという扱いも確かに残っている様ですが、1960年代後半からの活躍も決して侮れるものではありません。

もちろん、サイケおやじとしては以前も書いたとおり、ジョニー・リバースのシンプルにしてイカシたギタースタイルを必死で真似したほどに大好きなミュージシャンという理由があるにせよ、1960年代後半から吹き込まれたレコードをじっくりと楽しむという快感にも、実はどっぷり (^^♪

好きな歌や演奏を仕込んだデジタルファイルを常に車やスマホ等々に置いているほどです。

あぁ~~、もっともっと我が国でも人気が出ると嬉しいんですがねぇ~~~♪

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2 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
好きでしたね (指田文夫)
2022-07-25 20:39:01
この曲は大好きでした。
また、歌い方も素晴らしかった。
『非情の町』も彼ですよね。
返信する
1970年代の諸作も素敵ですよ (サイケおやじ)
2022-07-26 17:28:55
☆指田文夫様
コメント、ありがとうございます。

ジョニー・リバースのファンは日本には少ないと云われて幾年月……。
今こそ、評価されるべきと思っております。1970年代の諸作、特にLPは傑作揃いだと思うんですが。

それと「非情の町」は、ジーン・ピットニーのヒット曲「Twon Without Pity」でしたっけ?
返信する

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