OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ロイ・ブキャナンに昇天させられる

2019-11-08 19:12:51 | Rock
Live Stock / Roy Buchanan (Polydor)

 A1 Reelin' And Rockin'
 A2 Hot Cha
 A3 Further On Up The Road
 A4 Roy's Bluz
 B1 Can I Change My Mind
 B2 I'm A Ram
 B3 I'm Evil

今や伝説となった達人ギタリストは大勢登場して来ましたが、ロイ・ブキャナンこそは、その最右翼かもしれません。

もちろん、大衆的なヒットが出せなかったので、今に至るも一般的な人気は無いに等しいわけですが、サイケおやじと同世代でロックが好きな皆様であれば、その名前ぐらいは知っていると推察する次第です。

特にストーンズが辞めてしまったミック・テイラーの後任を探す中にイニシャル「RB」というヒントが提出されてしまった所為で、突如としてクローズアップされたのがロイ・ブキャナンだったんですよねぇ~~!?

あらためて言うまでもなく、現実的にはロン・ウッドが後釜に入ったわけですが、そのおかげで普通(?)のロックファンにも名前が知れ渡ったロイ・ブキャナンは、その1975年までにリーダーアルバムも出していましたし、それ以前の古くから、プロのミュージシャンの間では既に有名な達人ギタリストとしての評判が広がっていた事は、我が国でも洋楽マスコミによって知らされたのですから、日本盤のレコードも発売され、ちょいとしたブームの主役になっていた時期もあったほどです。

で、本日掲載したのは、そのロイ・ブキャナンが1975年に出した本格的なライブアルバムで、1974年11月27日のニューヨークはタウンホールでのステージから選ばれたトラックが収められ、メンバーはロイ・ブキャナン(g,vo) 以下、マルコム・ルーケンズ(key)、ジョン・ハリソン(b)、バード・フォスター(ds)、ビリー・プライス(vo) という、おそらくは当時のレギュラーバンドの面々で正直、決して名人揃いとは言い難く、しかし実際にレコードに刻またれ演奏は、きっちり纏まっており、流石にライブの現場で築き上げた実力は侮れません。

と同時に、ロイ・ブキャナンのバンドは、あくまでもロイ・ブキャナンのギターが主役であり、確かにリードボーカリストも擁していますが、不遜ながら、それだってギターがあればこその引き立て役なのが現実でしょう。

実際、ど~したってロイ・ブキャナンのギターに耳を奪われてしまうんですよねぇ~~♪

中でもモータウンで活躍したソウルジャズのサックス奏者だったジュニア・ウォーカーが放ったヒット曲「Hot Cha」は、その枯れた味わいと歌心、さらには魂の入ったギターサウンドの響きに酔わされること必至の名演!

もう過言では無く、この演奏だけで、このアルバムの価値があると思わずにはいられません!

また、どっしり重いブルースロックの「 I'm A Ram」では、ファンキーなリズムプレイを絡ませたリフの用い方やギターソロには所謂ピッキング・ハーモニクスと呼ばれる、指とピックで一緒に弦を弾くというウルトラ高難度の匠の技が全開! 

このあたりはサイケおやじの稚拙な文章表現では、もどかしい説明しか出来ないんですが、とにかく聴いていただければ、ロイ・ブキャナンのギタリストとしての特異性と超絶技巧が納得されるはずです。

ちなみに、このあたりのテクニックはジェフ・ベックやロビー・ロバートソンがロイ・ブキャナンからの影響を公言しておりますし、使っているギターがテレキャスターという事も、要注意でしょう。

それはフレットを外れて高音域まで指を動かしていく、ちょいとケレン味の強い奏法にも共通するわけで、このアルバムの随所で堪能出来ますよ♪♪~♪

そしてもうひとつ、絶対に聴いていただきたいのが、ソウルフルな「Can I Change My Mind」におけるバンドとしての名演で、いゃ~~、これが気持ちイイィ~~の極みつき ♪♪~♪ ギターはもちろんのこと、オルガンもベースもドラムスも、さらにはビリー・プライスのリードボーカルもノリにノリまくったグルーヴは最高で、もっともっと長く聴いていたいなぁ~~♪

さて、その意味でロイ・ブキャナンがリードボーカルをやっているブルースロックの「Roy's Bluz」は、緩~い雰囲気が逆に泣きじゃくるギターを持ち上げるとでも申しましょうか、ギターソロが始まった瞬間の客席のざわめきと嬌声には思わず共感でしょう。

う~ん、このフレーズは、ど~やって弾いているんだぁ~~~!?!

ほとんど発狂ですよっ!

それがオーラスの「I'm Evil」では、さらにエグ味が強くなり、正統派ブルースロックでありながら、ここまでヒステリックにギターを泣かせなくともっ!?! ロイ・ブキャナンのボーカルが脱力しているだけに、この虐待的なチョーキングって、物凄い握力なんでしょうねぇ~~、ロイ・ブキャナンはっ!?!

ですから、ド頭にアップテンポのロッキンブルース「Reelin' And Rockin」が置かれているのは絶妙の露払いですし、エリック・クラプトンが十八番にしている「Further On Up The Road」にしても、余裕というか、両方とも軽い雰囲気でやっているんですが、それでいてギターソロが物凄いんですから、その確信犯的行動はニクイばかりですよ ♪♪~♪

ということで、ロックのライブ盤としては傑作の1枚と思いますので、殊更ギターロックに興味を抱かれている皆様には、ぜひともお楽しみいただきとうございます。

ちなみに今では、このアルバムの拡大版が2枚組CDとなって発売されていますので、それもまたサイケおやじの愛聴盤ではありますが、それゆえに幾分ダレた感じも滲んでいる気が……。

うむ、それだって、全篇が名演揃いのこのアナログ盤LPに馴染んでしまっている我儘な気紛れの感想にちがいありません。

いゃ~~、やっぱりロイ・ブキャナンは凄いギタリストと思うばかりです。
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