OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

ライブで吠えるジョニー・ウィンター

2011-05-28 16:48:19 | Winter Family

Jumpin' Jack Flash / Johnny Winter (Columbia / CBSソニー)

出張帰りにCD屋に寄ったら、ジョニー・ウィンター全盛期のアルバムが紙ジャケ復刻されていましたですね。

もちろんジョニー・ウィンターは大好きですし、所有のアナログ盤もかなり傷んでいるで、ちょいと食指も動いたのですが、気になるボートラが、これまで発掘されていた音源を中途半端に分散収録したものだったんで、なんだかなぁ……。

まあ、それはそれとして、やっぱりジョニー・ウィンターは無視出来ません。

そこで本日のご紹介は、サイケおやじが本格的にジョニー・ウィンターに目覚めたレコードなんですが、当然ながら、その昭和46(1971)年の時点では経済的に苦しかったところから世評の高い最新アルバム「ライプ / ジョニー・ウィンター・アンド」の入手は叶わず、それでも負けじとゲットしたのが、そこからカットされた2曲収録の掲載シングル盤というわけです。

ちなみに当時の日本でも、「百万ドルのギタリスト」として売り出されていたジョニー・ウィンターへの関心度は高く、それはブルースロックの根強い人気と無縁ではありませんでしたが、欧米では既に時代遅れのスタイルと業界で決めつけられた所為でしょうか、1970年に入ると俄然、ハードロックへの転向を図って結成されたのが、ジョニー・ウインター・アンドと名乗るバンドだったようです。

と言うのも、実は「百万ドル」という大金を投じて獲得したジョニー・ウィンターのデビュー盤は、それ以前に契約していた他社の音源と競合発売された事もあり、またブルースに拘り過ぎという、一部からの恣意的な評論によって、思惑ほどは売れませんでした。

そこでセカンドアルバムはアナログ盤LP3面仕様の変則2枚組として、R&Rとホワイトソウルの融合を目論んだものの、これまた結果はイマイチのセールス……。

ですから、レコード会社の意向としては、旬が終っていたブルースロックよりも、流行のハードロックにシフトして欲しいのが絶大な要望だったのでしょう。

しかしファンも本人も、最高に好きなジョニー・ウィンターのスタイルは、爆発的なギターを中心に据えた熱気溢れるブルースセッションであり、ブルーアイドソウルを超越したホワイトR&Bと南部風味のR&Rをゴッタ煮とした歌と演奏でしたから、なかなか良く出来ていた3枚目のアルバム「ジョニー・ウィンター・アンド」が、惨めな売り上げとなったのは、今日までの歴史に克明です。

結局、ジョニー・ウィンターというミュージシャンは、現場主義というか、周囲があれこれセッティングしても、最終的には自分の好みと判断を優先させる正直な人だったんじゃないでしょうか。

その意味でメジャーデビューから4作目のアルバムが、ようやくライプ盤となったのも納得出来るところですし、実際問題として今日まで様々に出されている音源の中では、やはりそうした「生物」がファンには一番に好まれているように思います。

で、肝心のシングル盤A面曲は説明不要、ストーンズの決定的な代表曲を露骨にカパーした熱い演奏で、例のキャッチーなキメのリフは崩しようもありませんから、後はジョニー・ウィンターが自己確立のギター弾きまくり大会!

もう、徹頭徹尾、エレキのバカ大将状態は言わずもがな、ダーティに吠えるボーカルにも熱くさせられます。

ちなみに、ここでのバンドはジョニー・ウィンター(vo,g) 以下、リック・デリンジャー(g)、ランディ・ホブズ(b)、ボビー・コールドウェル(ds) の4人編成ですが、あくまでも主役はジョニー・ウィンターということで、豪快な早弾きやエキセントリックなコード選びに奔走する親分に「ついていく」姿勢と技量は、リアルタイムでは何も感じませんでしたが、今では流石に凄いなぁ~~~♪

また、気になるストーズのバージョンと比較では、ライプ音源も含めて、ストーンズのようなヘヴィな自然体のもっさり感よりは、如何にも馬力のあるアメ車のような撒き散らすスピード感が物凄いですよ。

しかし、このあたりの好き嫌いは当然、あるでしょうねぇ。

ドロドロのストーンズに対して、直線的なジョニー・ウィンター!

そんな感じもありますが、しかし共通するのはR&Rを遵守する熱い魂じゃないでしょうか。

最後になりましたが、当時は知らなかったとはいえ、ジョニー・ウィンターのギター奏法は基本的にピックを使わない指弾きであり、それで強烈な早弾きや粘っこいアクセントが付随したフレーズを何事も無かったかのように演じてしまうなんて、もはや神業!

結局は誰も到達出来ない境地へ40年前、既に辿りついていたという、恐ろしき証明がここにあります。

もちろんサイケおやじは後に本来のLPを入手し、また数多いアルバムも既に持っていたCBSでのデビュー盤から追々揃え、今日までジョニー・ウィンターのファンであり続けています。

う~ん、書いているうちに件の紙ジャケ復刻CDが欲しくなってきましたですねぇ~♪

やっぱり買える時に買っておくのが正解でしょうか……。

そしてジョニー・ウィンター未体験の皆様には、この機会にぜひっ!

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4 コメント

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1990年、来日叶わず… (HOOP)
2011-05-30 00:12:10
1973年頃でしたでしょうか
たしか東芝からもアルバムが
リリースされていたと記憶しますが
そいつが初期音源集だったんでしょうか?

友人が3面仕様盤(僕らは1枚半組って言ってましたが)を
持っていて聴かしてもらったのが
ジョニー・ウィンターとのファーストコンタクトでしたが
演奏もさることながらそのヴォーカルにも魅了されて以来からのファンです。

弟のエドガーがリック・デリンジャーと共に
1990年1月に来日、
大阪公演を観に行った帰りにもらった
ジョニーの来日公演告知チラシを見て
楽しみにしていた矢先、
公演中止の知らせを聞いてガッカリしたのを
憶えております。
くしくも20年経った今年の4月に
初来日が叶うも東京のみだった為
これまた公演を観ることは叶いませんでしたが
今も健在なのが判っただけでも
よしと思い聞かす今日このごろです。
返信する
ジョニー兄貴 (サイケおやじ)
2011-05-30 16:42:52
☆HOOP様
コメント、ありがとうございます。

まず東芝から出ていたのは、邦題「百万ドルのブルースギター / ジョニー・ウィンター登場」というLPで、これはテキサスのマイナーレーベルに吹き込んだ音源集でした。しかし、これがなかなか良いんですよねぇ~♪ 今でもいろんな形で聴けると思いますので、機会があれば、ぜひっ!

ジョニー・ウィンターの来日中止は、おそらく悪いクスリ関連じゃないでしょうか。持病のためと言いながら、我が国では違法なドラッグを使っていたのかもしれませんよ。

ですから、先般の来日公演は奇蹟かもしれません。私も行けませんでしたが、プートが出るでしょうね。もしかしたから、もう出ているかも(笑)。

商業的には弟の方が売れたみたいですが、兄貴の素晴らしさは不滅だと思います。ボーカルの凄さも、さらに認められるべきですね。
返信する
百万ドルの昇天 (アンディP)
2014-07-19 11:27:04
ジョニー・ウィンターさんが亡くなりました。享年70歳。
公演先スイス・チューリヒにおいて、客死との報。
死因は明らかにされていません。近年の衰え振りのは隠すべくもありませんでしたから、ずっと心配はしておりましたが・・・。
個人的には、ツッコミまたツッコミの、テキサス・スタイル・ブルース・ギターの大御所、あるいは、SRVの大先輩のような人、と思っておりました。
心より、ご冥福をお祈りいたします。
返信する
死して、なお… (サイケおやじ)
2014-07-19 15:14:01
☆アンディP様
コメント、感謝です。

故人は健康面に不安を抱えての長い活動でしたから……。
今日まで、本当に頑張ったと思うばかりです。

そのブルース魂に深く感謝ですよ。

本日は拙いながらも追悼の文章を掲載させていただきましたので、ご一読下さいませ。

合掌。
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