OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

記憶の中の木の実まこ

2013-11-02 15:11:44 | 歌謡曲

あこがれ c/w 好奇心 / 木の実まこ (リプリーズ / ワーナーパイオニア)

所謂「幻のアイドル」は星の数ほど現れては消えている存在ゆえに、かえって強い印象を残す場合が少なくありません。

例えば本日ご紹介のシングル盤だけしか残していない木の実まこは昭和49(1974)年春、17歳のデビューとされていますが、肝心のレコードが世に出た時には、既に引退???

サイケおやじには、そんな感じが不思議でならないアイドルのひとりです。

実は彼女は、ご存じの皆様も大勢いらっしゃるとおり、ミュージカルスタアにして女優でもある木の実ナナの実妹で、姉に着いて現場に出入りしていた中学生の頃からスカウトされていたという、シンデレラ以上のスタア候補生!

そして掲載したジャケ写からも一目瞭然、はにかみの笑顔も眩しいキュートなアイドルとしてブレイクするはずが……。

サイケおやじの記憶だけでも、レコード発売前から、そのA面曲「あこがれ」をテレビで歌う姿の輝きは、資質の素晴らしさを証明していたと思いますし、当時のアイドルであれば当たり前だった水着姿にも、大いなる期待を抱いていたわけですが、初夏頃には全然見かけなくなったのですから、後に引退されたという事実に接した時には、思わず勿体無い!

そう、思う他はありませんでした。

もちろんその理由は知る由もありません。

しかし冷静になってみれば、偉大な姉の存在がプレッシャーになるほど、失礼ながら、彼女の歌唱力は決して秀でているとは言えません。

また、芸能を仕事に出来るほど、業界に対しての信頼も憧れもなかったんじゃ~ないでしょうか? 所謂「水が合わない」という推察も可能かと思います。

ただし、それでも唯一残されたレコードは、なかなか良く出来ていて、まずA面の「あこがれ」が作詞:有馬三恵子&作編曲:馬飼野康二という、アイドル歌謡ポップスの黄金コンビが書いたものであれば、キャッチーな仕上がりは「お約束」以上♪♪~♪

ちょっぴりアルトボイスでの節回しも丁寧な感じで、まあ、それが賛否両論、弾けたフィーリングが出ていないところが、物足りないところでしょうか。

しかしB面収録の「好奇心」は、やはり同じソングライターコンビの作品に馬飼野俊一のアレンジが冴えた、絶妙のオールディズ調が良い感じ♪♪~♪

個人的には、むしろこちらが好きなほどで、彼女の個性にも合っている気がするんですが、いかがなものでしょう。

う~ん、繰り返しますが、勿体無いですねぇ~~~~♪

ということで、当然ながら掲載の私有盤は中古ゲットだったんですが、発売から数年を経た後でも、その入手はそれほど困難ではなかった事を鑑みれば、それなりに短期集中で売れていたと思われます。

だって、楽曲そのものが、アイドル歌謡王道の仕上がりですからっ!

あぁ、もう一度、木の実まこの歌う姿に接したい!

音源と共に、映像の復刻も強く望んでいるのでした。

コメント (5)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 大信田礼子が与えてくれた | トップ | 何時も熱演の荒木由美子 »
最新の画像もっと見る

5 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ん? (セブン)
2013-11-02 19:16:17
A面の「あこがれ」とB面の「あこがれ」?
写真には好奇心と書いてありますが黒木さんのとは違うんですね。

木の実まこさんのちょっと後に木葉のこって似たようなイントネーションの人が出てきて、そっちは長続きしてるみたいですな。
返信する
間違いましたです… (サイケおやじ)
2013-11-02 19:32:12
☆セブン様
ありがとうございます。

即時訂正させていただきました(__)

「好奇心」という同名異曲は幾つかあるみたいですよ。
なんたって、素敵なタイトルですからねぇ~。

木葉のこ……、そこまで思いつきませんでした(苦笑)。
返信する
アイドル歌謡の要諦 (アンディP)
2013-11-19 23:03:41
件のアルバム「続・歌謡曲番外地」、購入の動機は、本稿ご紹介の、木の実まこ「あこがれ」。
一聴し、これはまさしく、王道・堂々のアイドル歌謡と確信。同アルバム収録曲のほとんどが、男狩り発情ソングかアンニュイ退廃歌、の中にあって、さながら清涼剤の如き一曲でした。
先輩ご指摘のとおり、秀でているとは言えない歌唱力、しっとり気味のアルト・ボイスは弾けていないかもしれませんが、個人的には、そこにこそ、堪らない魅力を感じます。
あくまで私見ですが、アイドル歌謡には、ソコハカトナイ「生硬さ、青くささ、ぎこちなさ、恥じらい」、これらの要素が不可欠なのではないでしょうか。もちろん行き過ぎると、ただのターヘということになってしまうのですが。
「あこがれ」は、サビの部分からが、最高に盛り上がります。
ギターが刻む裏リフに乗って展開される胸キュン・メロディに完全にノックアウト、ビートルズ風世界に耽溺し切る間もなく、畳みかけるが如く到来するクライマックス、「好きよ、好きよ、好きよ・・・」のリフレイン、・・・忘我。
初々しくて少々ぎこちない木の実まこの歌声に、アイドル歌謡の要諦を見た思いを禁じえないのであります。
返信する
アイドル王道主義 (サイケおやじ)
2013-11-20 15:57:30
☆アンディP様
コメント&フォロー、ありがとうございます。

貴兄の的確な分析は、全くそのとおりだと思います。

アイドルの歌は、ひとつの「はじらい」を楽しむジャンルでもあり、また訓練された従順さと素人っぽさの微妙なバランスのズレ(?)みたいものにシビレる度合いが、人気のバロメーターかもしれません。

平たく言えば、テレビやステージの歌でヘタレをやらかしても、可愛く微笑んでくれれば、全てを許せるのが、売れていくアイドルの条件のひとつと思われます。

木の実まこ、まさに彼女は要件を満たしていたのですが……。

あらためて聴き直せば、馬飼野康二の作編曲は不滅の感であります。
返信する
夢中でした (政五郎)
2016-07-12 16:26:59
アイドルに全く興味がない私でしたが…何故か彼女には夢中になりました。TBSラジオの公開放送にも何度もいきました。全員集合出演時は仮病で塾をサボりました。撮った写真にサインをいただきました(今も持っています)。短時間ですがお話をした事もあります。彼女は芸能人というより隣近所のあこがれの年上のおネェさんという雰囲気でした。彼女が通っていた日大桜ヶ丘をマジで受験しようとも思いました。あこがれと好奇心ですが当初A面があこがれでしたがリクエストが多いとの理由でAB面が反対になったのが実状です。しかし好奇心A面のレコードは入手できませんでした。数年後昭和36年生まれで再デビューしましたが(デビュー時の生年月日は昭和33年1月30日)…残念ながらこちらの活動の情報は全くありません。知ってるかた教えてください。その後現在に至るまで夢中になっアイドルは皆無です。
返信する

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

歌謡曲」カテゴリの最新記事