OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

深くて素敵な裏声の魅力

2012-05-10 15:33:30 | Pops

ライオンは寝ている / Robet John (Atlantic / ワーナーパイオニア)

ファルセットボイスは所謂裏声と解釈して、よろしいのでしょうか?

う~ん、確かに高い声=ハイトーンボイスとは違いますよねぇ~、つまりは裏返った声!?

なぁ~んて、素朴な疑問をサイケおやじは昔っから抱いております。

で、そうした裏声の魅力でファンを惹きつけている歌手のひとりがロバート・ジョンで、今日ではAORの神様と局地的に崇められているそうですが……。

サイケおやじにとっては、本日ご紹介のシングル曲「ライオンは寝ている / The Lion Sleeps Tonight」こそが出会いであり、昭和47(1972)年のちょうど今頃からラジオを中心に洋楽ヒットの王道的流行になっていましたですねぇ~♪

その、なんとも長閑で、どっかで聞いたような素敵なメロディ~♪

と思うのも当然、実はロバート・ジョンが歌っていたのはリバイバルカパー企画であって、オリジナルはソロモン・リンダという南アフリカ人らしいのですが、後に英語の歌詞を付けたのはウィーバーズというアメリカのフォークグループ(?)であり、さらにトーケンズというホワイトドゥワップ系グループが1961年に大ヒットさせていたのですから、どっかで云々も当然が必然だったのです。

しかもこれが本当は南アフリカの「Wimoweh」という民間伝承歌(?)を改作したものという真相も、後に知れば知るほど奥の細道に踏み込んでしまいます。

それは以前にもジェイ&アメリカンズの項で書きましたが、こういうアメリカ東海岸系のポップスについては、その制作過程から様々な人脈や業界内の思惑等々が実に複雑に入り乱れた(?)様相を呈しているからで、興味を抱いたが最後、抜け出す事は地獄の果までなんとらや!?

件のトーケンズにしても、1958年頃の結成にはニール・セダカという、偉大なシンガーソングライターの元祖的ミュージシャンが関わっていますし、そういう場面で駆使されるファルセットボイスといえば、あのフォー・シーズンズを避けては語れないわけですから、ニューヨーク出身とされるロバート・ジョンが如何にそういう環境にどっぷりだったか!?

推察は易いんじゃないでしょうか。

実際、このロバート・ジョンのバージョンはストレートコピーの趣が強く、特段に変化球的な狙いが無いところに好感が持てるのです。

しかし、それゆえに我国では、ほとんど一発屋的な扱いになってしまった事も否めず、そして時が流れ、AOR系シンガーとして人気アルバム「バック・オン・ザ・ストリート(EMI)」を出すなんて事は思ってもいませんでしたが、そこにはファルセット永遠のスタンダード「Hey There Lonely Girl」が収録されているのですから、もう何も言えませんです。

機会があれば、ぜひっ! それだけは……。

ということで、裏声の魅力は微熱な気分ではありますが、かなり好きな人もいらっしゃるはずと推察するばかりです。そして黒人音楽が好きになったりすると、必ずや突きあたるところであって、我国でも山下達郎あたりはそれを隠さないのは良いですねぇ~♪

決して女々しいばかりではない男性ボーカリストの裏声は、実は素敵な世界じゃないかと再認識しているのでした。

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