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サイケおやじの生活と音楽

追悼・筒美京平:恋のチャンスを聴きながら part -1

2020-11-13 19:37:09 | 歌謡曲

恋のチャンス / B-B-S  (東芝)

偉大なる故・筒美京平には忘れられない傑作が夥しく、しかし、決して全てがヒットしてはいなかった現実の中にあって、それでも語り継がれ、愛聴され続けている名曲があるとすれば、ソウル歌謡の極みつきたる「恋のチャンス」は外せません。

そこで掲載したのは、B-B-S (ビューティー・ブラック・ストーンズ) と名乗る女性グループが昭和47(1972)年夏に出したシングル盤で、収録A面曲こそが前述「恋のチャンス」のオリジナルバージョンとされていますが、ど~です♪♪~♪ ジャケ写からだけでも、当時のモータウンやホットワックス等々、本場アメリカの黒人ポップ&ソウルな雰囲気がビンビンに伝わって来るではありませんかっ!

演じているB-B-S (ビューティー・ブラック・ストーンズ) は、もちろん我が国で結成されたグループで、メンバーのケリー宇佐美、倉持ゆり、そしてキャサリン中根は黒人ハーフと云われているとおり、もしかしたらゴールデン・ハーフのブラック版を狙っていたのでしょうか?

しかし、それはそれとして、とにかく作詞:橋本淳&作編曲:筒美京平のクレジットも眩しい「恋のチャンス」は、モロに真っ黒な演奏パートの中に思わずハッとさせられるほど耳に馴染んだ本場アメリカのソウルミュージックから流用した美味しいキメが仕込まれていますし、あたかも黒人訛っぽい日本語で歌いまくる彼女達のグルーヴは歌謡曲の枠から外れそうで、実は……、どっぷりと「昭和」の魅力に溢れているんですねぇ~~♪

そうですよ、今でこそ芸能界には「ハーフ」が目障りなほどに溢れかえっていますが、「昭和」という時代の「ハーフ」は未だ「混血」と侮蔑的な総称もありながら、一方では日本人には及びもつかない、ある種のカッコイイ雰囲気が確かにあって、だからこそ、「芸能界」という、一般人とは別の領域においての需要は絶対的だった様に思います。

だからこそ、外タレにカタコトで日本語詞の歌を吹き込ませたり、ハーフの歌手が、それなりに馴染んだ日本語で歌謡曲を堂々と演じたりするのが、ひとつの流行、そして定番になっていたのは、あながち間違いではありません。

ところが、すんなりと「お茶の間」に、それらが入れるかと問われれば、答えは否!?

このB-B-S (ビューティー・ブラック・ストーンズ) が唄った「恋のチャンス」は、カッコイイのベクトルが急激過ぎて、その頃の日本人には、ついていけなかった事は気後れすべき現実でありました……。

ということで、それでも皆様ご存知のとおり、この傑作「恋のチャンス」には、もう一度、チャンスが与えられる事になります。

それがポピーズの演じたカバーバージョンであった事は言わずもがなではありますが、続きは次回に持ち越しとさせていただきます <(_ _)>

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