■矢車日記 / 原ゆう子 (キャニオン)
作詞：小谷夏＆作曲：中村泰士が書き上げ大名曲「矢車日記」は、「ド演歌」というよりも、むしろ「フォーク演歌」という印象もございましょうが、やはり……、ここでのせつなくも美しい歌謡世界は「ド演歌フィーリング」があればこそ、リスナーに伝わって来るんじゃ～ないでしょうか。
聊かネタバレになりますが、本日のお題「矢車日記」は、西田佐知子が昭和48(1973)年に出したアルバム「美徳のよろめき（ポリドール）」のＢ面３曲目に収められていたバージョンがオリジナルで、あかのたちおがアコースティックギターと物悲しいバイオリンをメインに用いたアレンジをバックに、基本はミディアムテンポでありながら、ちょいと先ノリ気味にメロディを節回す西田佐知子のアンニュイなボーカルが強いインパクトを残しているんですが、サイケおやじが、この西田佐知子バージョンよりも先に聴き、大いに気に入ってしまったのが昭和51(1976)年に発売された本日掲載のシングル盤Ａ面に収録された原ゆう子のカバーバージョンでありました。
というか、その時点じゃ～、サイケおやじは、てっきり原ゆう子のオリジナル曲だと思っていたんですよ、この「矢車日記」はっ！
で、ここでの編曲は馬飼野俊一であり、前述した西田佐知子のオリジナルバージョンよりは相当にドラマチックなストリングスやソウルフルなリズムアレンジ等々、如何にも当時の流行がド真ん中でありながら、原ゆう子の節回しには西田佐知子っぽさがモロに滲み出ているという好ましさ (^^♪
あぁ～～、この刹那の歌謡フィーリングこそは、サイケおやじが思う「ド演歌」フレイバーなんですが、いかがなものでしょう。
そして、だからこそ以後、この「矢車日記」は幾人もの歌手が持ちネタする名曲となり、カバーバージョンも、例えば小林幸子や北原ミレイ、そして由紀さおり等々、素晴らしいレコーディングが残されていくのは、当然が必然と思うばかりです。
ちなみに前述した西田佐知子のＬＰ「美徳のよろめき（ポリドール）」をサイケおやじは未だ入手出来ておりませんで……、実は友人からプレゼントされたカセットコピーを聴いているんですが、なかなか中古市場でも良い出会いが無い以上、早急なるＣＤ化を強く望んでおります (^^;
ということで、本日は特段のオチもございませんが、せめて日々の憩いに好きなレコードを聴き、リラックス出来れば幸せであり、サイケおやじにとっては、それは決して小さいものではありません。
そりゃ～、個人主義の幸せなんてものは、なかなか他人には理解されないものだとは思いますが、それが皆、違うからこそ、幸せのエネルギーは尽きないものと確信しております。
失礼いたしました <(_ _)>
