今の世界は実に恐ろしく狂っている。どこで狂っているかという根本問題をごく端的に書いてみたいと思っていた。これは、何度叫んでも良いことであって、今回もまとめてちょっとやってみる。結局新自由主義経済が狂っているということなのだが。ただし僕が言うまでもなく、新自由主義経済学というのには何の学問的根拠、正当性もないものだと言われてきた。それは、近代経済学者たちも含めてまともな経済学者が皆語ることのはずである。この場合のまともな経済学者とは、西欧ではケインズのようにノーブレスオブリージを、日本では「経済」(経世済民)の心をも理解する者ということだ。つまり、弱者のことを考えるという意味で倫理的にも正しい、人間の経済学という意味である。
世界にはいまだに餓死者も多い。家族に必要な水を汲むためだけに女性や子どもらが半日を費やしている地方も多いと聞くが、車や、せめて自転車かリヤカーでもあればずいぶん楽になる理屈だ。山を刈り取ってしまうなどで水がなくなって困っている国、地方が、中国、アラル海沿岸諸国、アフリカ諸国なども含めて実に多い。新生児死亡率はちっとも下がらないし、世界的高度医療の恩恵を受ける国はごくわずかだろう。栄養失調は世界にますますはびこってきたはずだ。寒空に、燃料のない人々も返って増えているのではないか。
さて、このような問題を解くための技術などは世界のどこにでも転がっている。では、なぜこのような問題がちっとも解決できないのか。そういう国には、問題を解決するための資本がないからである。では世界に資本はないのか? ダブダブに有り余るほどある。先進国にはカネがだぶついていて、投資場所にさえ困り果てていると言える。そこから、土地バブルが起こったり、サブプライム関連商品などが売れに売れたりで、マネーゲームにさえ興じてきた。
さて、一方に生きるか死ぬかの大変な貧困。他方にはマネーゲームに興ずるような大変な金余り現象。ここに来るまでにはさらに、この両者の間には、こんな関係があったはずなのである。金が不足している所から、カネが余っている所へと、世界のカネがどんどん吸い寄せられてきたという現象が起こったのである。これが、1990年代から世界に起こったグローバリズムの実態だろう。南米通貨危機、アジア通貨危機、ロシア通貨危機、サブプライム爆発以降に起こったドバイ、アイスランド、南欧諸国などの経済破綻。これらのたびに起こったのは、こういうことだったはずだ。世界中のカネが、先進国の金融会社に集まっていった。そもそも、サブプライム爆発って上のような文脈においてこそ実におかしなものだったと言える。家を買えないような貧乏人に家を買わせる仕組みを作って、大いに買わせた。また、家の値をつり上げて更に贅沢をさせた。その果てに家も取り上げて、借金マルケ。そうさせた金持ちたちの「損失?」は、政府資金で救われるということだった。
さて、以上の結果に世界が、また困り果てているというわけだ。こんなふうに。ごく少数の人だけに世界の莫大な金が集まるようになってしまったが、彼らはその金を一体どこに投資したらよいのだ? 高価なものを買ってくれる人々は世界からどんどん減ってきたのだしして。中国などを除いては、先進国がどこも内需拡大に困っているというのが、その最大の証拠である。これが今の『先行きも見えない不況』の正体と言える。ますます少数になった大金持ちと、どんどん増える派遣労働者などだけでは、どれだけかけ声をかけても景気回復なんかできるわけがないではないか。こういう結末こそ「競争が好景気を作る」の実態なのである。「原理的に大嘘」と断定して良かろう。
世界は、これから一体、どうすればよい?
世界にはいまだに餓死者も多い。家族に必要な水を汲むためだけに女性や子どもらが半日を費やしている地方も多いと聞くが、車や、せめて自転車かリヤカーでもあればずいぶん楽になる理屈だ。山を刈り取ってしまうなどで水がなくなって困っている国、地方が、中国、アラル海沿岸諸国、アフリカ諸国なども含めて実に多い。新生児死亡率はちっとも下がらないし、世界的高度医療の恩恵を受ける国はごくわずかだろう。栄養失調は世界にますますはびこってきたはずだ。寒空に、燃料のない人々も返って増えているのではないか。
さて、このような問題を解くための技術などは世界のどこにでも転がっている。では、なぜこのような問題がちっとも解決できないのか。そういう国には、問題を解決するための資本がないからである。では世界に資本はないのか? ダブダブに有り余るほどある。先進国にはカネがだぶついていて、投資場所にさえ困り果てていると言える。そこから、土地バブルが起こったり、サブプライム関連商品などが売れに売れたりで、マネーゲームにさえ興じてきた。
さて、一方に生きるか死ぬかの大変な貧困。他方にはマネーゲームに興ずるような大変な金余り現象。ここに来るまでにはさらに、この両者の間には、こんな関係があったはずなのである。金が不足している所から、カネが余っている所へと、世界のカネがどんどん吸い寄せられてきたという現象が起こったのである。これが、1990年代から世界に起こったグローバリズムの実態だろう。南米通貨危機、アジア通貨危機、ロシア通貨危機、サブプライム爆発以降に起こったドバイ、アイスランド、南欧諸国などの経済破綻。これらのたびに起こったのは、こういうことだったはずだ。世界中のカネが、先進国の金融会社に集まっていった。そもそも、サブプライム爆発って上のような文脈においてこそ実におかしなものだったと言える。家を買えないような貧乏人に家を買わせる仕組みを作って、大いに買わせた。また、家の値をつり上げて更に贅沢をさせた。その果てに家も取り上げて、借金マルケ。そうさせた金持ちたちの「損失?」は、政府資金で救われるということだった。
さて、以上の結果に世界が、また困り果てているというわけだ。こんなふうに。ごく少数の人だけに世界の莫大な金が集まるようになってしまったが、彼らはその金を一体どこに投資したらよいのだ? 高価なものを買ってくれる人々は世界からどんどん減ってきたのだしして。中国などを除いては、先進国がどこも内需拡大に困っているというのが、その最大の証拠である。これが今の『先行きも見えない不況』の正体と言える。ますます少数になった大金持ちと、どんどん増える派遣労働者などだけでは、どれだけかけ声をかけても景気回復なんかできるわけがないではないか。こういう結末こそ「競争が好景気を作る」の実態なのである。「原理的に大嘘」と断定して良かろう。
世界は、これから一体、どうすればよい?