先日ある方から、一種変わったお別れの電話があった。同人誌の先輩男性、80歳に近いと思われるお人だ。長い電話内容の要約と、ここまでの経過などを書いてみる。
『今度ホスピスに入ることになりました。レントゲン技師という職業上、癌と分かっていたけど覚悟して外って置いた、まー消極的自殺ですね。痛みが我慢できなくなってちょっと前についに医者に行った。今度はとうとう、ホスピスですよ』
ずっと共働きだったお連れあいさんを数年前になくされて、以降ずっと茫然自失。正直に言って、ご自分の服がどこにあるかもご存じなかった方というだけではなく、相当の亭主関白、頑固オヤジを自認されていた。そこから、子どもさんらにもひどく敬遠されていると苦笑・自嘲まじりに、よく語られていたものだ。ご自分のそれら一切を知りながら、開き直るようにして生きてこられた方と言っても良いだろう。博打好きなども含めると、無頼派の物書き、火宅の人とさえ言えるかも知れない。
この先輩はこういうお方だが、僕は身近にいた者ではないから害は受けていないどころか、むしろさっぱりした面白いお人柄だと感じてきたものだ。こういうお方であれば、一人生活は色々と面倒で、さぞ疲れることでもあろうし、「消極的自殺」と告げられたのが分かるような気がした。
どんどん年寄りに厳しくなるこんな時代、人の一生は同じようなものというのかどうか、残り人生がまだ長い方々は、色々考えて欲しいと、改めて思ったことだった。
『今度ホスピスに入ることになりました。レントゲン技師という職業上、癌と分かっていたけど覚悟して外って置いた、まー消極的自殺ですね。痛みが我慢できなくなってちょっと前についに医者に行った。今度はとうとう、ホスピスですよ』
ずっと共働きだったお連れあいさんを数年前になくされて、以降ずっと茫然自失。正直に言って、ご自分の服がどこにあるかもご存じなかった方というだけではなく、相当の亭主関白、頑固オヤジを自認されていた。そこから、子どもさんらにもひどく敬遠されていると苦笑・自嘲まじりに、よく語られていたものだ。ご自分のそれら一切を知りながら、開き直るようにして生きてこられた方と言っても良いだろう。博打好きなども含めると、無頼派の物書き、火宅の人とさえ言えるかも知れない。
この先輩はこういうお方だが、僕は身近にいた者ではないから害は受けていないどころか、むしろさっぱりした面白いお人柄だと感じてきたものだ。こういうお方であれば、一人生活は色々と面倒で、さぞ疲れることでもあろうし、「消極的自殺」と告げられたのが分かるような気がした。
どんどん年寄りに厳しくなるこんな時代、人の一生は同じようなものというのかどうか、残り人生がまだ長い方々は、色々考えて欲しいと、改めて思ったことだった。