PJニュース 2010年9月30日】尖閣諸島沖での海上保安庁と中国漁船の衝突事件は中華人民共和国(中国)のプレゼンス増大をあらためて実感した。中国との関係が今後の日本外交の重要課題となることは確かである。本記事では中国のプレゼンスの大きさを分析し、日本の対応策を検討する。
近年の中国の発展には目を見張るものがある。中国は油田やインフラ投資、経済援助などによってアフリカなど全世界で存在感を増している。既に中国は日本を追い抜き、世界第二の経済大国となった。遠からず、日本の数倍の経済規模になったとしても不思議ではない。このまま日本経済の発展を望むならば中国依存経済にならざるを得なくなる。日本経済は中国経済に組み込まれていく。
小泉純一郎首相(当時)は2001年4月26日の所信表明演説で「構造改革なくして景気回復なし」と述べたが、小泉政権当時の好景気は中国に支えられたもので、実態は「中国なくして景気回復なし」であった。
今後、中国が成長していけば、中国にとっては日本なしでも問題なくなっていく。必要なものは韓国や欧米から入手できるためである。これに対して日本経済は中国なしでは成り立たない。公務執行妨害で逮捕された中国人船長の釈放が、それを示している。
http://news.livedoor.com/article/detail/5041913/
http://www.pjnews.net/news/794/20100929_3
中国人船長が一転して釈放された背景には日本経済界の悲鳴がある。希土類(レアアース)の輸出規制、通関手続きの厳格化、観光の抑制などで中国は日本を徹底的に締め上げる姿勢を示した。このために中国と関係の深い観光業界や貿易業者から「何とかしろ」という声が政府に寄せられた。「何てことをしてくれたのか」と海上保安庁を非難する声すら存在する。
中国人船長の釈放後も中国は強硬姿勢を崩していない。マレーシアにある日本企業へのレアアースの輸出が9月27日に認められたが、今後も日中の対立時に揺さぶりをかける手段として使われる可能性がある。今回の事件で中国側は自らの力の有効性を確認したはずである。
中国は本気で日本の経済力を削(そ)ぐ意思を抱いている可能性がある。中国は日本に歴史的怨念(おんねん)がある。日本に対して積もり積もった感情がある。それはいまだ民族的に晴らされていない。その手段を戦後半世紀以上経過して経済力という形で手に入れた。
中国経済が成長していく中で、今回のような政治的対立にリンクした経済的締め付けが繰り返されるならば、中国の大市場の中で日本一国が競争力を失う。韓国や欧米に市場を奪われ、日本経済は一回り小さくなることを覚悟する必要がある。
また、日本人にはいまだに中国蔑視(べっし)意識があるが、物質的には中国依存となれば、やがて精神面でも中国依存が現実化する可能性がある。このために日本の保守層には「日本が中国に飲み込まれてしまうのではないか」との懸念がある。
真偽は不明であるが、中国の高官による「日本などという国は、20年後(2015年)には消えてなくなる」との発言もインターネット上に流布している。嫌中感情を扇動して緊張状態を作出する意図が隠されていることもあるため、この種の言説は割り引いて考えるべきだが、それでも中国のプレゼンス増大は事実として残る。
ネット虫
近年の中国の発展には目を見張るものがある。中国は油田やインフラ投資、経済援助などによってアフリカなど全世界で存在感を増している。既に中国は日本を追い抜き、世界第二の経済大国となった。遠からず、日本の数倍の経済規模になったとしても不思議ではない。このまま日本経済の発展を望むならば中国依存経済にならざるを得なくなる。日本経済は中国経済に組み込まれていく。
小泉純一郎首相(当時)は2001年4月26日の所信表明演説で「構造改革なくして景気回復なし」と述べたが、小泉政権当時の好景気は中国に支えられたもので、実態は「中国なくして景気回復なし」であった。
今後、中国が成長していけば、中国にとっては日本なしでも問題なくなっていく。必要なものは韓国や欧米から入手できるためである。これに対して日本経済は中国なしでは成り立たない。公務執行妨害で逮捕された中国人船長の釈放が、それを示している。
http://news.livedoor.com/article/detail/5041913/
http://www.pjnews.net/news/794/20100929_3
中国人船長が一転して釈放された背景には日本経済界の悲鳴がある。希土類(レアアース)の輸出規制、通関手続きの厳格化、観光の抑制などで中国は日本を徹底的に締め上げる姿勢を示した。このために中国と関係の深い観光業界や貿易業者から「何とかしろ」という声が政府に寄せられた。「何てことをしてくれたのか」と海上保安庁を非難する声すら存在する。
中国人船長の釈放後も中国は強硬姿勢を崩していない。マレーシアにある日本企業へのレアアースの輸出が9月27日に認められたが、今後も日中の対立時に揺さぶりをかける手段として使われる可能性がある。今回の事件で中国側は自らの力の有効性を確認したはずである。
中国は本気で日本の経済力を削(そ)ぐ意思を抱いている可能性がある。中国は日本に歴史的怨念(おんねん)がある。日本に対して積もり積もった感情がある。それはいまだ民族的に晴らされていない。その手段を戦後半世紀以上経過して経済力という形で手に入れた。
中国経済が成長していく中で、今回のような政治的対立にリンクした経済的締め付けが繰り返されるならば、中国の大市場の中で日本一国が競争力を失う。韓国や欧米に市場を奪われ、日本経済は一回り小さくなることを覚悟する必要がある。
また、日本人にはいまだに中国蔑視(べっし)意識があるが、物質的には中国依存となれば、やがて精神面でも中国依存が現実化する可能性がある。このために日本の保守層には「日本が中国に飲み込まれてしまうのではないか」との懸念がある。
真偽は不明であるが、中国の高官による「日本などという国は、20年後(2015年)には消えてなくなる」との発言もインターネット上に流布している。嫌中感情を扇動して緊張状態を作出する意図が隠されていることもあるため、この種の言説は割り引いて考えるべきだが、それでも中国のプレゼンス増大は事実として残る。
ネット虫