「原発事故。今後も起きる」政府調査委 畑村元委員長(15.1.29 毎日新聞)
国の原子力委員会(岡芳明委員長)は28日、原子力利用の課題を示す「基本的考え方」策定に向け、東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査委員会の委員長を務めた畑村洋太郎東京大学名誉教授と意見交換した。畑村氏は「原子力を扱う限り、事故は今後も必ず起きると認識すべきだ」と訴えた。
畑村氏は「努力しても人が考えつかない領域や、原発事故が起きる可能性は残ると宣言すべきだ」と強調。事故を起こさないための「防災」と、事故時の被害を最小限に抑える「減災」の両方が重要だと指摘した。
また事故当事国の課題として、事故検証の継続、知見の国内での共有と海外への発信を挙げた。
原発再稼働の在り方にも触れ、「規制当局が安全性を確認し、Okならば安全だとする国の論理は破綻している。世の中が求める絶対的な安全は有り得ない」と批判。避難計画だけでなく、被害拡大防止策や除染計画も事故に備えて整備すべきだと訴えた。
原子力委は「基本的考え方」を約1年かけて策定し、関係省庁に具体的施策を促す。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
最近ニュースになるのは原子力規制委員会ばかりで、原子力委員会という組織がまだあるということに気がつかなかった人も多いのではないでしょうか。
原子力委員会は、1955年に原子力発電など原子力開発に踏み出すに当たって策定された原子力基本法に基き、原子力利用に関する政策を企画、審議する機関として設置されました。当初は内閣府の付属機関として、委員長には国務大臣が当てられましたが、東京電力福島第1原発の事故で従来の原子力発電推進に偏った運営(原子力ムラの中心)が批判され、原子力規制委員会が作られ、原子力委員会も行政の実施機関から審議会に性格をかえましたが、原子力利用に関する政策を政府に進言する役割を担っています。
福島原発事故の政府調査委員会の委員長の提言を原子力委員会は重く受け止めてほしいと思います。
なお、このほかきょうの中日新聞には原子力発電に関する記事がいろいろ出ていました。
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構が昨年12月に原子力規制委員会に提出した機器保全計画の見直し報告書に不備があり、未点検機器の数が400点以上増えて約6900点にのぼることが明らかになりました。
関西電力は再稼働に向けて審査が進む高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の「原子炉設置変更許可申請」の補正書を原子力規制委員会に再提出しました。昨年10月に提出した補正書に記載の不整合の調整など1732件が書き加えられています。
なぜこんなに申請・報告書に記載漏れや記載の不整合があるのでしょうか。畑村元委員長の「絶対的な安全はありえない」という提言こそを重く受け止めるべきだと思います。
大西 五郎
国の原子力委員会(岡芳明委員長)は28日、原子力利用の課題を示す「基本的考え方」策定に向け、東京電力福島第1原発事故で政府の事故調査委員会の委員長を務めた畑村洋太郎東京大学名誉教授と意見交換した。畑村氏は「原子力を扱う限り、事故は今後も必ず起きると認識すべきだ」と訴えた。
畑村氏は「努力しても人が考えつかない領域や、原発事故が起きる可能性は残ると宣言すべきだ」と強調。事故を起こさないための「防災」と、事故時の被害を最小限に抑える「減災」の両方が重要だと指摘した。
また事故当事国の課題として、事故検証の継続、知見の国内での共有と海外への発信を挙げた。
原発再稼働の在り方にも触れ、「規制当局が安全性を確認し、Okならば安全だとする国の論理は破綻している。世の中が求める絶対的な安全は有り得ない」と批判。避難計画だけでなく、被害拡大防止策や除染計画も事故に備えて整備すべきだと訴えた。
原子力委は「基本的考え方」を約1年かけて策定し、関係省庁に具体的施策を促す。
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最近ニュースになるのは原子力規制委員会ばかりで、原子力委員会という組織がまだあるということに気がつかなかった人も多いのではないでしょうか。
原子力委員会は、1955年に原子力発電など原子力開発に踏み出すに当たって策定された原子力基本法に基き、原子力利用に関する政策を企画、審議する機関として設置されました。当初は内閣府の付属機関として、委員長には国務大臣が当てられましたが、東京電力福島第1原発の事故で従来の原子力発電推進に偏った運営(原子力ムラの中心)が批判され、原子力規制委員会が作られ、原子力委員会も行政の実施機関から審議会に性格をかえましたが、原子力利用に関する政策を政府に進言する役割を担っています。
福島原発事故の政府調査委員会の委員長の提言を原子力委員会は重く受け止めてほしいと思います。
なお、このほかきょうの中日新聞には原子力発電に関する記事がいろいろ出ていました。
高速増殖炉「もんじゅ」(福井県敦賀市)を運営する日本原子力研究開発機構が昨年12月に原子力規制委員会に提出した機器保全計画の見直し報告書に不備があり、未点検機器の数が400点以上増えて約6900点にのぼることが明らかになりました。
関西電力は再稼働に向けて審査が進む高浜原発3、4号機(福井県高浜町)の「原子炉設置変更許可申請」の補正書を原子力規制委員会に再提出しました。昨年10月に提出した補正書に記載の不整合の調整など1732件が書き加えられています。
なぜこんなに申請・報告書に記載漏れや記載の不整合があるのでしょうか。畑村元委員長の「絶対的な安全はありえない」という提言こそを重く受け止めるべきだと思います。
大西 五郎