慰安婦番組「慎重に考える」NHK籾井会長政府方針に言及(15.2.6 朝日新聞)
NHKの籾井勝人会長は5日、定例の記者会見で、戦後70年の節目に従軍慰安婦について番組で採り上げる可能性はあるかと問われ、「(従軍慰安婦問題について)正式に政府のスタンスというのがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない」などと述べた。
安倍政権は「戦後70年談話」を検討中で、籾井会長は「夏にかけてどういう政府のきちんとした方針が分かるのか、この辺がポイント」と発言。従軍慰安婦について「政府の見解が変わりうるという認識か」と問われると、「お答えは控える。しゃべったら、書いて大騒動になるじゃないですか」などと答えた。
「報道の機能損なう」
この発言について朝日新聞は「報道の機能損なう」という碓井広義上智大学教授(メディア論)の次のようなコメントを紹介しています。
籾井会長は、就任会見での「政府が右ということを左というわけにはいかない」という発言から何ら代わっていないという印象だ。そもそもジャーナリズムというのは、自分たちで課題やテーマを探して報じるもの。なかでも公共放送は国民の放送局で、国営放送ではない。権力者から見解を聞かされて、一定の方向を伝えるものではない。NHK内部に慰安婦問題に取り組みたい人がいても、企画書が書けなくなる。NHKのジャーナリズム機能を損なう発言だ。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
碓井教授の通りおっしゃるとおりですね。籾井会長は就任会見での発言を批判されたことをどう考えているのでしょうか。
なおこの問題は中日新聞、毎日新聞も取り上げています。中日新聞は「籾井氏は、NHKの基本姿勢として『自主・自律、不偏不党』とくりかえしているが、今回の発言は政府のスタンスに沿った放送をする趣旨と取られかねず、国会での追及も予想される」。毎日新聞は「政府が8月にも発表する『戦後70年談話』の行方を見て判断する意向を示した。自律的な放送を放棄するかのような発言は批判を呼びそうだ。」
また朝日新聞は「NHK経営委3委員退任へ」と報じました。それによりますと、「政府は5日、NHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員に充てる国会同意人事案を衆参両院に示した。作家の百田尚樹氏、委員長代行を務める上村達男早稲田大教授ら3人が任期満了で2月末で退任する。
人事案では、井伊雅子・一ツ橋大大学院教授、森下俊三・阪神高速道路会長、本田勝彦・日本たばこ産業顧問、佐藤友美子・追手門学院大学学長直属特別任用教授の4人が提示された。本田氏は再任で、残りの3人は新任。」
問題発言を繰り返した百田氏は自ら再任を断ったそうですが(毎日新聞)、いたたれなくなったのでしょうか、それとも、そんな窮屈なら辞めてやるなのでしょうか?
大西 五郎
NHKの籾井勝人会長は5日、定例の記者会見で、戦後70年の節目に従軍慰安婦について番組で採り上げる可能性はあるかと問われ、「(従軍慰安婦問題について)正式に政府のスタンスというのがよくまだ見えない。慎重に考えなければならない」などと述べた。
安倍政権は「戦後70年談話」を検討中で、籾井会長は「夏にかけてどういう政府のきちんとした方針が分かるのか、この辺がポイント」と発言。従軍慰安婦について「政府の見解が変わりうるという認識か」と問われると、「お答えは控える。しゃべったら、書いて大騒動になるじゃないですか」などと答えた。
「報道の機能損なう」
この発言について朝日新聞は「報道の機能損なう」という碓井広義上智大学教授(メディア論)の次のようなコメントを紹介しています。
籾井会長は、就任会見での「政府が右ということを左というわけにはいかない」という発言から何ら代わっていないという印象だ。そもそもジャーナリズムというのは、自分たちで課題やテーマを探して報じるもの。なかでも公共放送は国民の放送局で、国営放送ではない。権力者から見解を聞かされて、一定の方向を伝えるものではない。NHK内部に慰安婦問題に取り組みたい人がいても、企画書が書けなくなる。NHKのジャーナリズム機能を損なう発言だ。
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碓井教授の通りおっしゃるとおりですね。籾井会長は就任会見での発言を批判されたことをどう考えているのでしょうか。
なおこの問題は中日新聞、毎日新聞も取り上げています。中日新聞は「籾井氏は、NHKの基本姿勢として『自主・自律、不偏不党』とくりかえしているが、今回の発言は政府のスタンスに沿った放送をする趣旨と取られかねず、国会での追及も予想される」。毎日新聞は「政府が8月にも発表する『戦後70年談話』の行方を見て判断する意向を示した。自律的な放送を放棄するかのような発言は批判を呼びそうだ。」
また朝日新聞は「NHK経営委3委員退任へ」と報じました。それによりますと、「政府は5日、NHKの最高意思決定機関である経営委員会の委員に充てる国会同意人事案を衆参両院に示した。作家の百田尚樹氏、委員長代行を務める上村達男早稲田大教授ら3人が任期満了で2月末で退任する。
人事案では、井伊雅子・一ツ橋大大学院教授、森下俊三・阪神高速道路会長、本田勝彦・日本たばこ産業顧問、佐藤友美子・追手門学院大学学長直属特別任用教授の4人が提示された。本田氏は再任で、残りの3人は新任。」
問題発言を繰り返した百田氏は自ら再任を断ったそうですが(毎日新聞)、いたたれなくなったのでしょうか、それとも、そんな窮屈なら辞めてやるなのでしょうか?
大西 五郎