慰安婦番組「政府方針見て」の会長発言に経営委員「遺憾」(15.2.11 毎日新聞)
NHKの経営委員会は10日、籾井勝人会長が定例記者会見で、従軍慰安婦問題を番組で採り上げるかどうかは、政府の方針を見て判断する意向を示したことについて協議した。放送の自律を放棄したかのような会長の発言には、批判的な意見が多かったとみられるが、籾井会長は欠席だったため、浜田健一郎委員長(ANA総合研究所会長)が近日中に、真意を確認の上、あらためて協議する。
非公開の委員会が終了後、上村達男委員長職務代行者(早稲田大教授)は記者団に「記録を見た限りにおいて遺憾だ」と述べた。この日は執行部側からの提案事項がなかったため、当初から籾井会長は欠席予定だった。
籾井会長は5日の記者会見で、従軍慰安婦問題について「政府のスタンスがまだ見えないので、放送するのが妥当かどうかは慎重に考えないといけない」と延べ、政府がまとめる「戦後70年談話」の行方を見て判断するとしていた。
また10日、市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」「放送を語る会」日本ジャーナリスト会議(JCJ)の3団体は会長の辞任と、経営委員会による会長の罷免を求める申し入れ所をNHK側に提出した。
□□――――――――――――――――――――――――――――――――――――――□
JCJと放送を語る会は10日に共同で籾井会長宛に「即刻辞任を求めます」を、経営委員会宛に「籾井会長の即刻罷免を強く求めます」を申し入れました。
申入書は「籾井会長の従軍慰安婦について正式に政府のスタンスを見て考えるという発言は、事実上『番組は政府の方針に従って作る』ことを表明したことに他なりません。また総選挙を控えた昨年11月20日、自民党がNHKと在京民放キー局に、出演者の発言回数、時間、ゲスト出演者の選定、街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏ることがないよう公平・中立、公正を求めました。(註:これは安倍首相がテレビ生放送に出演中、街頭インタビューに答えた若者が『アベノミクスは評価できない』と答えたことに安倍首相が番組中に文句を云ったのが発端ですが)、報道内容に対し、露骨に、事細かに干渉しました。これについても籾井会長は記者との懇談で『この文書の通りだ』と発言し、選挙報道に対する政権党の露骨な干渉に唯唯諾諾と従う態度を示しました。籾井会長が放送の自主・自律を堅持すべき公共放送NHKのトップ失格であることはあきらかです。」と指摘しています。
また、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティも経営委員会に籾井会長の罷免を求める申入書を提出しました。
なお、これら3団体は他の4団体と一緒に籾井会長と百田尚樹、長谷川三千子経営委員の罷免を求める署名運動を行なっており、これまでに7万2千筆を超える署名が集まっています。
(籾井会長と経営委員会宛の申入書はJCJ本部から会員である私に届いた通信によります。)
大西 五郎
NHKの経営委員会は10日、籾井勝人会長が定例記者会見で、従軍慰安婦問題を番組で採り上げるかどうかは、政府の方針を見て判断する意向を示したことについて協議した。放送の自律を放棄したかのような会長の発言には、批判的な意見が多かったとみられるが、籾井会長は欠席だったため、浜田健一郎委員長(ANA総合研究所会長)が近日中に、真意を確認の上、あらためて協議する。
非公開の委員会が終了後、上村達男委員長職務代行者(早稲田大教授)は記者団に「記録を見た限りにおいて遺憾だ」と述べた。この日は執行部側からの提案事項がなかったため、当初から籾井会長は欠席予定だった。
籾井会長は5日の記者会見で、従軍慰安婦問題について「政府のスタンスがまだ見えないので、放送するのが妥当かどうかは慎重に考えないといけない」と延べ、政府がまとめる「戦後70年談話」の行方を見て判断するとしていた。
また10日、市民団体「NHKを監視・激励する視聴者コミュニティ」「放送を語る会」日本ジャーナリスト会議(JCJ)の3団体は会長の辞任と、経営委員会による会長の罷免を求める申し入れ所をNHK側に提出した。
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JCJと放送を語る会は10日に共同で籾井会長宛に「即刻辞任を求めます」を、経営委員会宛に「籾井会長の即刻罷免を強く求めます」を申し入れました。
申入書は「籾井会長の従軍慰安婦について正式に政府のスタンスを見て考えるという発言は、事実上『番組は政府の方針に従って作る』ことを表明したことに他なりません。また総選挙を控えた昨年11月20日、自民党がNHKと在京民放キー局に、出演者の発言回数、時間、ゲスト出演者の選定、街角インタビュー、資料映像等で一方的な意見に偏ることがないよう公平・中立、公正を求めました。(註:これは安倍首相がテレビ生放送に出演中、街頭インタビューに答えた若者が『アベノミクスは評価できない』と答えたことに安倍首相が番組中に文句を云ったのが発端ですが)、報道内容に対し、露骨に、事細かに干渉しました。これについても籾井会長は記者との懇談で『この文書の通りだ』と発言し、選挙報道に対する政権党の露骨な干渉に唯唯諾諾と従う態度を示しました。籾井会長が放送の自主・自律を堅持すべき公共放送NHKのトップ失格であることはあきらかです。」と指摘しています。
また、NHKを監視・激励する視聴者コミュニティも経営委員会に籾井会長の罷免を求める申入書を提出しました。
なお、これら3団体は他の4団体と一緒に籾井会長と百田尚樹、長谷川三千子経営委員の罷免を求める署名運動を行なっており、これまでに7万2千筆を超える署名が集まっています。
(籾井会長と経営委員会宛の申入書はJCJ本部から会員である私に届いた通信によります。)
大西 五郎