10月4日の拙エントリー「剛勇、翁長知事」にこう書いた。
『 沖縄の翁長知事が以前こう言い切った時に、僕はふっと、こんな将来を描いていたもの。
「知事があらゆるその権限を使って辺野古移転を阻止すると決意したと言う。そしたら、政府は敗北必至ではないか」
こう思った心はこういう内容だった。
〈(中略) 金目にも何にも脇目を振らされていないようだし、地方自治の法文すべてを駆使して抵抗する覚悟を知事が固めたということだから、この闘争はいつまで続くやら。沖縄県民は翁長一本にまとまっているし、政府には次々と選挙という試練もある。その選挙の度に沖縄から攻撃の狼煙が全国に発されるとしたら、アベ政権も安泰であるはずがない〉』
そんな目で見ていたら、22日中日新聞夕刊に東京大学大学院教授・吉見俊哉氏が『正義とは何か 世界に問う』がなかなかの名文なのである。全国に発進すべく、抜粋してみよう。
『あっぱれにも翁長雄志沖縄県知事は、国と差し違える覚悟である』
『政府との集中協議を重ねて妥協点を探る。それらは最初に結論ありきでなく、他に解がどうしてもないことを証明する手続きだった』
『この戦いは必ず法廷闘争になる。裁判の行方はメディアが注目するだろう。仮に裁判が行き詰まっても、国が辺野古移設を強行すればするほど国内外の支持は知事に集まる。彼は(中略)「沖縄の問い」の正義を確信しつつ、「法」と「政治」が交錯するドラマのシナリオを考えている』
『歴史の目で眺めるなら、沖縄の正義は明白だ。誰が考えても、国土の0・6%の沖縄に在日米軍基地の七割以上が集中しているのは不正義である』
『この主張の正当性は、国際的に理解されていくだろう。知事はすでに国連人権理事会に出席し、「自国民の自由、平等、人権、民主主義を守れない国が、どうして世界の国々と価値観を共有できるのか」と訴えたという』
こうして、最後はこう締められている。
『裁判の帰趨以上に、彼は日本国民と世界に向け、正義とは何かを問うている。本土に住む私たちは、このような沖縄の正面からの問いに、最大限の誠意をもって応える責務がある』
それにしても、見出しからして「正義とは何か」。最近とんと聞かれなくなった表現、思考・思想である。こういう思考がなぜ見えなくなったかというその答えまでが、この文中にあった。
『やがて、バブルのころから日本人は「お金」のことしか考えることができなくなり、自己が否認するものへの想像力を劣化させてきた』
『 沖縄の翁長知事が以前こう言い切った時に、僕はふっと、こんな将来を描いていたもの。
「知事があらゆるその権限を使って辺野古移転を阻止すると決意したと言う。そしたら、政府は敗北必至ではないか」
こう思った心はこういう内容だった。
〈(中略) 金目にも何にも脇目を振らされていないようだし、地方自治の法文すべてを駆使して抵抗する覚悟を知事が固めたということだから、この闘争はいつまで続くやら。沖縄県民は翁長一本にまとまっているし、政府には次々と選挙という試練もある。その選挙の度に沖縄から攻撃の狼煙が全国に発されるとしたら、アベ政権も安泰であるはずがない〉』
そんな目で見ていたら、22日中日新聞夕刊に東京大学大学院教授・吉見俊哉氏が『正義とは何か 世界に問う』がなかなかの名文なのである。全国に発進すべく、抜粋してみよう。
『あっぱれにも翁長雄志沖縄県知事は、国と差し違える覚悟である』
『政府との集中協議を重ねて妥協点を探る。それらは最初に結論ありきでなく、他に解がどうしてもないことを証明する手続きだった』
『この戦いは必ず法廷闘争になる。裁判の行方はメディアが注目するだろう。仮に裁判が行き詰まっても、国が辺野古移設を強行すればするほど国内外の支持は知事に集まる。彼は(中略)「沖縄の問い」の正義を確信しつつ、「法」と「政治」が交錯するドラマのシナリオを考えている』
『歴史の目で眺めるなら、沖縄の正義は明白だ。誰が考えても、国土の0・6%の沖縄に在日米軍基地の七割以上が集中しているのは不正義である』
『この主張の正当性は、国際的に理解されていくだろう。知事はすでに国連人権理事会に出席し、「自国民の自由、平等、人権、民主主義を守れない国が、どうして世界の国々と価値観を共有できるのか」と訴えたという』
こうして、最後はこう締められている。
『裁判の帰趨以上に、彼は日本国民と世界に向け、正義とは何かを問うている。本土に住む私たちは、このような沖縄の正面からの問いに、最大限の誠意をもって応える責務がある』
それにしても、見出しからして「正義とは何か」。最近とんと聞かれなくなった表現、思考・思想である。こういう思考がなぜ見えなくなったかというその答えまでが、この文中にあった。
『やがて、バブルのころから日本人は「お金」のことしか考えることができなくなり、自己が否認するものへの想像力を劣化させてきた』